世界的な仮想通貨交換業者であるバイナンスが、UAE(アラブ首長国連邦)のドバイと提携の動きを見せています。
Bloomberg報道によると、運営元のバイナンス・ホールディングスがまもなく仮想通貨関連活動をめぐり、ドバイ首長国との覚書にサインする意向です。
バイナンスとドバイの関係性をまとめました。
要点
バイナンスとドバイの提携までの流れ
バイナンス・ホールディングスは、ドバイとの提携の意向を明かしました。
Bloombergによると、これまでバイナンスはUAEとの関係強化に努めていたそうです。
バイナンスの趙長鵬CEOを中心に、提携に向けたネットワークの構築を進めていたことがわかっています。
ドバイをグローバル本社の本拠地にしようという動きもあるそうです。
趙CEOはドバイ・ブロックチェーンセンターをはじめ、さまざまな仮想通貨関連の要人と会合を持ったと報じられています。
バイナンスの広報担当者は、正式なコメントを控えながらも、適切な時期に状況を報告すると明かしました。
バイナンスとドバイの今後の関係性に期待しましょう。
世界各地の規制当局がバイナンスを厳しくマーク
バイナンスにとって、ドバイとの提携はかなり重要とされます。
最近、各国の規制当局がバイナンスを厳しくマークしているからです。
2021年だけで、主に以下の事例が見られています。
・6月25日にイギリス金融行動監視機構が、バイナンスに対してライセンス未保有を理由に警告。同日には日本の金融庁からも無登録業者として警告を発している
・9月2日にシンガポールの中央銀行がバイナンスを警告リストに追加、同27日にバイナンスがサービス停止を発表
このほかにもイタリア、リトアニア、オランダなどからバイナンスを未登録業者として指摘・警告する事例が相次いでいます。
世界中で多様なサービスを展開していたバイナンスですが、多くの国でサービス停止や縮小を進めました。
このように現在、バイナンスに対する風当たりがかなり強くなっています。
ドバイは仮想通貨の受け入れに積極的
世界的に仮想通貨規制の機運が高まるなか、ドバイは受け入れに積極的です。
2021年だけで以下の動きが見られました。
KIKLABBでは2021年2月に、ビットコインやイーサリアムでの決済が可能になったと報じられています。
UAEの政府機関が仮想通貨決済を認めた初の事例とされます。
ドバイにはKIKLABBのような自由貿易エリアが複数あります。
該当する場所は海外企業の誘致のために、拠点に進出する企業に対し税制などで優遇措置を設けているのです。
こうした場所においてだけでも仮想通貨を使えるのは、ビジネス面でもメリットでしょう。
2021年6月にはビットコインETF「QBTC」がナスダックドバイにて売買できるようになりました。
中東および北アフリカ地域「MENA」初の快挙です。
2021年9月の報道では、DWTCA(ドバイ世界貿易センター局)が、管轄地域における仮想通貨の取引を合法化しました。
このように段階的ではあるものの、ドバイは仮想通貨の法整備や受け入れに積極的な姿勢を見せています。
バイナンスが拠点にしたくなるのも納得できるかもしれません。
まとめ
バイナンスがUAEのドバイと提携する意向を明かしています。
世界中にサービスを展開しているバイナンスですが、最近は各国の当局から未登録業者として厳しくマークされる現状です。
ドバイとの提携は、バイナンスの窮地を解決するきっかけになるでしょうか。
世界的な規模を誇る取引所なので、動向次第ではビットコインなどの市場に影響を与えるかもしれません。
今後どのような報道が出るかを見守りましょう。