要点
・市場に影響力を持つ人物もアフリカ市場に注目している
アフリカの仮想通貨市場が急速に拡大!?
仮想通貨関連企業のLuno(ルノ)社が、未発達な金融事情、経済と人口統計、インフラの未発達さなどにより、アフリカは今後数年以内に仮想通貨市場が急成長する地であるとの報告書を公表しました。
報告書は仮想通貨の分析を手掛けるArcane Research(アランスリサーチ)社とLuno社との共同研究により発表されたもので、報告書の内容によると…
アフリカは、仮想通貨の採用にとって最も有望な地域ではなく、全体的に採用は比較的低い。
しかし、可能性は非常に大きく、成長は急速であり、今後、仮想通貨業界の発展は明確になるとまとめています。
(画像引用先 The State of Crypto: Africa)
アフリカは多様性に富んでいるものの、いくつかの主要な類似点と傾向を共有しており、高いインフレ率や不安定な通貨から金融問題などの経済問題が課題となっています。
それらのことから、資本管理と銀行インフラの欠如は、仮想通貨が理想的な解決策になるだろうとしています。
実際の使用例として、世界銀行が昨年、外国人駐在員は約480億ドルをサハラ以南アフリカの家族に送金しているという調査結果を公表しました。
しかし、これらの送金は既存送金サービスの場合、高い手数料がネックとなっており、既存の送金方法を避けてステーブルコインとDeFi(分散型ファイナンス)が多くの問題を克服している現状があります。
ジャック・ドーシー氏もアフリカ市場に注目
ビットコイン・カルチャーの象徴であり、仮想通貨市場に大きな影響力を持つといわれているアメリカの起業家でTwitterの共同創業者でもあるJack Patrick Dorsey (ジャック・ドーシー)氏は
Sad to be leaving the continent…for now. Africa will define the future (especially は
the bitcoin one!). Not sure where yet, but I’ll be living here for 3-6 months mid 2020. Grateful I was able to experience a small part. 🌍 pic.twitter.com/9VqgbhCXWd— jack (@jack) November 27, 2019
https://platform.twitter.com/widgets.js
(日本語訳)
大陸を離れることは悲しい…今のところ。アフリカは未来を定義します(特にビットコインの未来!)。まだどこ住むかかわかりませんが、2020年の半ばに3〜6か月間ここに住んでいます。
とツイート。
※ この後、ドーシー氏はCEOという立場であるにも関わらず、アフリカへ移住したいという考えを公表した事などが要因となり、Twitter社からの更迭要求をされており、今年3月にCEO続投が決定したものの、アフリカへの移住は取りやめになったと報じられています。
この発言からも分かるように、仮想通貨市場に影響を与える一人と言われているドーシー氏がアフリカの仮想通貨市場での市場の急速な拡大に目を向けていることは間違いありません。
現時点ではまだまだ未発達市場
アフリカの仮想通貨市場は、世界的と比較するとまだまだ未発達で、その割合はビットコインノード、イーサリアムノード両者ともにわずか0.2%と報告書の中で明かしています。
(画像引用先 The State of Crypto: Africa)
現在はビジネス関連での使用に限定されているとされているものの、アフリカにおいてP2P取引は活発化しており、世界全体の14%を占めています。
ケニアや南アフリカでもP2P取引は活発化しており、LocalBitcoinsとPaxfulの両プラットフォームだけで週に1,000万ドル強の取扱いがあります。
アフリカの概要:暗号通貨の所有権(16〜64歳のインターネットユーザーの割合)
(画像引用先 The State of Crypto: Africa)
過去20年間、アフリカ諸国の大半が高いインフレに悩まされており、富と購買力を市民から奪ってきました。
アフリカ全体のインフレ率は歴史的に世界平均よりはるかに高く、ジンバブエのハイパーインフレなど、アフリカのインフレ率は高く慢性的で、インフレの影響を反映して多くの国で法定通貨は下落しやすく不安定でもろい価値が続いています。
これまでも安価な電気代を求めてさまざまな国へマイニング企業が移転を余儀なくされてきましたが、仮想通貨の本拠地も活路を求めてアフリカに集中し、いつしか仮想通貨の本場がアフリカと言われる日がくるのかもしれません。