要点
・しかし、この最高収益の原因はコロナウイルスパンデミックが原因ではないとしているものの、サプライチェーンと輸送ルートの緊張により、ダークネットマーケットベンダーに圧力をかけています。
ダークネット市場で最高収益
12月4日(金曜)、Chainalysis(チェイナリシス)が、ダークネット市場(通称:闇サイト)がこれまでで最も収益を手にしたこを発表しました。
ダークネット市場は常に仮想通貨コミュニティト密接に関与し、関心を寄せてきた存在としても知られています。
世界中で最も知られているダークネットサイトがシルクロード(Silk Road)で、2013年のビットコイン活動全体の約20%を占めていたほどでした。
これに端を発し、その形成期にビットコインの評判を=犯罪と結び付けられる要因として悩ませてきました。
シルクロードそのものはすでに遠い記憶のように感じられるものの、ダークネット市場は存続し続けており、減少しているように見えますがまだ存在しており、これまでにないほど多額のお金を稼いでいます。
2019年には、ダークネット市場全体で8億ドル、約833億円相当の仮想通貨収益を得ており、50近くの市場が年間を通じて活動していることがわかりました。
Chainalysisは、ダークネット市場の総収益はすでに2019年の合計を上回っていますが、残っている市場内で高い価値を求めており、購入の総数、顧客も大幅に減少していると述べています。
なぜ2020年はダークネット市場が高収益なのか
2019年と比較して、顧客、購入数が減少しているにも関わらず、これまでで最も収益挙げたのか。
多くの人々がコロナウイルスパンデミックではないかと考えがちですが、実際に世界中の郵便システムに負担をかけ、多くのダークネット市場の供給元(ベンダー)に配達の失敗と遅延をもたらしています。
Chainalysisによると、最高収益につながる原動力として考えられるのは、競争激化と、市場自体を取り締まる法執行機関による取り組みのによるもで、その結果、ダークネット市場業界は少数のより大きな市場へと変わっていったと指摘しています。
この傾向は、ダークネット市場利用数が急激に減少したものの、総収益は増加していることを示すデータによって裏付けられていると述べています。
※画像引用元:Chainalysis
グラフに記載されているビットコイン、ビットコインキャッシュ、ライトコイン、テザー、これらの数値は、ダークネット市場の顧客が利用数を減らしていることを示していますが、購入については平均してより多くの金額を使用していることが分かります。
Chainalysisによると、このグラフには2つの状況が示されており、1つは、カジュアルな麻薬の購入者がダークネット市場から離れる一方、大規模な購入者は購入ごとにより多く購入するという結果です。
2つ目の状況として見えてくるのが、不確実性に対応し、カジュアルな購入者がより多くの購入を行っているという点です。
Chainalysisによると、2020年11月のアクティブ市場総数は、2017年11月以来最低の総数だったと述べています。
本当にダークネット市場とコロナパンデミックは関係がないのか?
※画像引用元:Chainalysis
Chainalysisは、COVID-19は今年のダークネット市場のトレンドにおける最大の要因ではないと述べたものの、ある程度の影響を及ぼしています。
その理由として、出荷ルートの郵送中断により、ダークネット市場で遅延が発生したことで不満を持つ顧客からの苦情が多く寄せられていたことがメディアでも報じられています。
違法オンラインビジネスは各国の捜査当局による、より一層の厳しい監視の目と、コロナパンデミックによる遅延問題など、今後はさらに監視が強化されるため、より運営が難しくなってくる事が予想されます。