2022年に入ったイーサリアムですが、いきなり相場は絶不調です。
前年12月28日に下落が目立ったほか、1月5日からも3日連続で値を下げています。
現在では40万円を下回りました。
とくに年始の値下げでは、FOMCによる金融政策の議論の影響が考えられます。
安値取引の背景を見ていきましょう。
要点
絶不調のイーサリアム市場
年末年始のイーサリアム市場を見ていきましょう。
GMOコイン販売所における日足チャートで検証します。
年末年始のイーサリアムの価格は、複数回の下落が目立ちました。
前年12月28日の始値は46万3224円でしたが、そこから大幅な下落を示しています。
31日の終値が41万3250円にいたるまで、4日連続で価格が安くなりました。
そこから回復の兆しもありましたが、1月5日~7日にかけて大幅に値を下げています。
5日の始値は43万6366円でしたが、7日は画像時点の終値が36万3461円と、40万円を下回りました。
28日始値から約27.4%も価格が落ちているのです。
ここまで相場が冷え込んだ原因は何でしょうか。
原因はFOMCによる利上げ議論か?
今回のイーサリアムの値下がりは、世界的なインフレの懸念が影響しているようです。
その結果Bloombergなどの報道によると、5日にFOMC(米連邦制度準備理事会)から公開された議事要旨では、早期利上げの議論が記録されていました。
この影響により株などの金融市場の相場が軒並みダウンしています。
イーサリアムをはじめとした仮想通貨市場もこれにつられたようです。
利上げが決まると、金融機関が資金調達で払わなければならない金利が高くなります。
人々はお金を借りにくくなるので、経済停滞の原因になるのです。
アメリカは世界経済の影響力が強いため、利上げの議論だけで金融商品の売り注文が殺到します。
仮想通貨も株と同じように、世界的な金融情勢の影響を受けやすいようです。
以上からイーサリアムの年始における値下げは、利上げ議論が背景に挙がります。
今後のイーサリアム市場のポイントは?
今後のイーサリアム市場は、しばらく様子見が賢明でしょう。
次の2つの理由があるからです。
・DeFiにおける優位性を奪われる可能性
今回のイーサリアムの暴落で、仮想通貨も世界経済の情勢に影響されると考えた方が多いでしょう。
実際に3日連続の暴落が始まった1月5日には、FOMCの利上げ議論が公開されています。
仮想通貨も金融商品である以上、世界経済によって投資家心理が左右されるようです。
ビットコインやリップルのような他の種類だけでなく、株の値動きも定期的に確かめつつ、今後の売買行動を決めた方がよいでしょう。
またJPモルガン・チェースが5日のレポートで、イーサリアムがDeFi(分散型金融)の優位性を奪われる危機を述べています(ソースはCoindesk)。
イーサリアムブロックチェーンの取引処理をスムーズ化するには、シャーディングという作業がカギです。
しかしJPモルガンはシャーディングの最終段階が2023年まで延びると見ています。
この間にライバルの仮想通貨にシェアを奪われる可能性があるのです。
DeFiではソラナ、トロン、ファントム、バイナンス・スマート・チェーンなど話題の仮想通貨が次々登場しています。
イーサリアムが使いやすくなるための決め手を出せないまま、上記の通貨に乗り換えられるかもしれません。
イーサリアムのアップデートの動向も、売買のタイミングを見るポイントです。
まとめ
年末年始のイーサリアムは価格下落が相次ぎました。
とくに年始の暴落が目立っており、FOMCによる利上げ議論の影響が考えられます。
さらにDeFi業界でのポジションも少しずつ危うくなっているようで、今後のアップデートの動向が将来性を決めるでしょう。
年始から懸念材料が目立ったイーサリアムですが、勢いを取り戻す時期を慎重に見守りたいと思います。