イーサリアムとリップルが、11日に暴落を迎えました。
移動平均線ではともにゴールデンクロスが近づいていましたが、直前で大きく値を下げています。
背景にFTXのトークン売却懸念があり、今後の動向が気になるところです。
イーサリアムとリップルについて、最近の値動きを見ていきましょう。
要点
イーサリアムの値動き
まずはイーサリアムの値動きを確かめてください。
GMOコイン販売所の日足チャートによる検証です。
イーサリアムは11日に暴落を迎え、価格水準がまた下がりました。
先週は5日から8日にかけて、ジリジリと価格が上がっていたところです。
しかし9日から3日連続で下落を迎え、とくに11日の下げ幅が大きいといえます。
11日の始値は23万3322円でしたが、終値は22万0399円まで下がりました。
この間の下落率は約5.5%です。
12日は終値未確定ながら反動高ですが、暴落のダメージがまだ少し残っています。
11日の暴落は、移動平均線にも影響を与えました。
9日あたりは、短期の5日線が長期の25日線に近づいており、ゴールデンクロスのチャンスでした。
しかし暴落により、再び距離ができています。
イーサリアムの上昇トレンドへの転換には、まだ時間がかかるでしょう。
リップルの値動き
続いてリップルの値動きです。
こちらもGMOコイン販売所の日足チャートで見ていきましょう。
リップルも一度はゴールデンクロスが近づきながら、11日に集中的下落を迎えました。
イーサリアムもこの日に暴落しており、アルトコイン市場全体が厳しい情勢でした。
以上からリップルも価格水準を落としています。
11日の始値は72.045円でしたが、終値は67.446円でした。
下落率は約6.4%です。
同日のイーサリアムより下落率が大きいといえます。
移動平均線も、11日の暴落の影響を受けました。
先週は5日線が緩やかに上昇し、下り坂の25日線に近づいていましたが、最近はまた離れています。
以上からリップルも、上昇トレンドへの転換に時間を要するでしょう。
FTXのトークン売却懸念でリスクオフ姿勢強まる
イーサリアムとリップルの暴落の原因は、経営破綻したFTXのトークン売却懸念です。
Coinpostが、11日に裁判所に出された書類を報じています。
以上によるとFTX保有の流動的銘柄は、約34億ドル(約5000億円)の帳簿価格でした。
なかでもソラナ(SOL)が約11.6億ドル(約1700億円)で、全体の約3分の1です。
FTX側は米デラウェア州裁判所に対し、毎週最大1億ドル(約150億円)分のトークン売却の許可を申し立てました。
トークンの種類によっては、毎週最大2億ドル(約300億円)分の売却案もあります。
特定の仮想通貨が、継続的かつ大量に売却されるかもしれません。
以上から各仮想通貨市場で、損切りによる売却が相次いだのでしょう。
FTXの動向次第では、イーサリアムとリップルがさらなる下落を迎えるかもしれません。
まとめ
イーサリアムとリップルはともにゴールデンクロス目前でしたが、11日に暴落を迎えました。
FTXによるトークン売却懸念が影響しています。
経営破綻したFTXは資産清算の一環で、保有中のトークンの大量売却をするかもしれません。
しかし実際に売却が決まれば、該当銘柄の価格は大きく下がります。
市場に対する警戒感から、イーサリアムとリップルで売却が相次いだのでしょう。
今後もFTXの動向に注意しつつ、アルトコイン市場の価格推移を確かめてください。