イーサリアムのコア開発者チームは21日、3つのテストネットについて将来的な閉鎖計画を明かしました。
対象はRopsten、Kiln、Rinkebyで、大型アップグレード「The Merge」完了後はこれらの運用も終わるとのことです。
ただしThe Merge終了後も運用が続くテストネットもあります。
イーサリアムのテストネットをめぐる現在の状況を見ていきましょう。
要点
閉鎖対象の3つのテストネットについて
今回、将来的な閉鎖が決まった3つのテストネットは以下のとおりです。
・Kiln
・Rinkeby
このうちRopstenは2022年6月9日に、イーサリアムの大型アップグレード「The Merge」の実装を受けました。
テストネット上におけるPoS(プルーフ・オブ・ステークス)導入の成功例として話題になっています。
Kilnは2022年3月に公開されており、The Merge前に登場した最後のテストネットと見られていました。
以上の2つも含め、合計3つのテストネットは、The Mergeプロジェクトの完了とともに役目を終えます。
イーサリアムの開発チームは、3つのテストネットに関する閉鎖計画を示しています。
2022年後半に、まずKilnが閉鎖を受けます。
こちらはメインネットのPoS移行が完了次第、すぐにシャットダウンされる見通しです。
次にRopstenは、2022年第4四半期での稼働終了が予告されています。
Rinkebyは、別のテストネットであるSepoliaへの置換を受け、2023年半ばにシャットダウンされる見通しです。
イーサリアムが運用中のテストネットは、ブロックチェーンとしてのデータが時間とともに増えていきます。
しかしデータが膨大化した結果、メンテナンスやノードの運用が難しくなる欠点があります。
そのようなデメリットから、イーサリアムはテストネットの順次閉鎖を決めているのでしょう。
運用継続予定の2つのテストネットについて
イーサリアムのテストネットで以下の2つは、The Mergeが終わっても運用継続の見通しです。
・Sepolia
イーサリアムの開発チームは、The Merge後のテスト用としてGoerliやSepoliaへの移行を呼びかけています。
Ropstenなど3つのテストネットで、閉鎖予定が決まっているからです。
Goerliはスマートコントラクトのインタラクションテストに役立つとされます。
コミュニティが強力で、それを裏づける既存インフラも多種多様です。
イーサリアムのテストネットのなかで、もっともメインネットに近い感覚で使えるでしょう。
Sepoliaはテストネットのなかでも新しい部類に入ります。
そのため2022年6月時点では、まだ履歴の規模が小さいのが特徴です。
これはアクセスが素早いことを意味します。
ノードの作動にかかるストレージも少なく、テストネットの利用者にとっては使い勝手がよいでしょう。
GoerliもSepoliaもテストネットとしてのクオリティが高く、開発者やユーザーにとっては使いやすいといえます。
まとめ
イーサリアムではさまざまなテストネットが活躍しています。
そのなかでRopstenをはじめ3つは、The Merge後の閉鎖予定が発表されました。
GoerliやSepoliaのように、The Merge後も稼働を続けるテストネットもあります。
以上の2つは機能性に優れているため、今後も活躍が期待できるでしょう。
イーサリアムのPoS移行プロジェクトであるThe Mergeは、着実に計画を進めています。
このアップグレード自体にも、これからの動向が気になるところです。