【要点】
・発展途上国は仮想通貨の禁止を控え、業界の世界的な規制について時間が必要と述べています。
IMFチーフエコノミストは仮想通貨の規制を推奨
IMF(国際通貨基金)チーフは、仮想通貨の実際的な難しさを理由に、「禁止」するのではなく「規制」することを推奨しています。
国際通貨基金のチーフエコノミストであるGita Gopinath(ギータ・ゴピナト)氏は、発展途上国は仮想通貨の禁止を控えるべきだと述べ、代わりに同氏は業界の世界的な規制について、時間が必要であると語っています。
仮想通貨のグローバルチャレンジ
ゴピナト氏は、2021年12月15日に開催されたNCAER(※ニューデリーを拠点とする非営利の経済学シンクタンク)主催のイベントで、仮想通貨に関する規制上の問題について概説しました。
同氏は、仮想通貨に関するグローバルポリシーは、テクノロジーが新興市場にもたらす課題に対処するための緊急の必要性であると語っています。
仮想通貨取引所が持つ世界的な存在感を考えると、それらを禁止することは単に非現実的であるとして、以下のように述べました。
仮想通貨と通貨を規制することは、特に新興国と発展途上国にとって不可欠です。仮想通貨取引所がオフショア(※国外または海外)にあるため、それらを禁止することは機能しない可能性があり、禁止にもかかわらず個人がそれらを取引するのが容易になります。
中国語インドの仮想通貨規制
2021年9月に中国は、国内からのすべての仮想通貨取引所の禁止を発表。
その後、BitmartやBikiなどの仮想通貨取引所は中国外へと逃れることを余儀なくされ、その間インドではまだ仮想通貨禁止について審議の真っ只中でした。
国境を越えた取引は、単一国の規制を非常に弱くし、ゴピナト氏は仮想通貨に関する「グローバル」ポリシーを作成することに重点を置いています。
それらは「為替レート管理、資本管理、および資本フロー措置」を回避するために使用できると述べています。
ビットコインの世界最大所有者としてしられているMicroStrategyのMichael Saylor(マイケル・セイラー)最高経営責任者(CEO)は、この正確なプロパティをビジネスの観点から非常に役立つものとして強調しました。
不動産とは異なり、ビットコイン(Bitcoin/BTC)は「光速」で国境を越えて最も税制に配慮した管轄区域に転送できます。
また、欧州中央銀行のChristine Lagarde(クリスティーヌ・ラガルド)総裁も、分散型のマネーロンダリング機能に対抗するため、グローバルな仮想通貨規制を推進しています。
その他の国における仮想通貨の禁止規制
インドと中国に加え、他のほとんどの国や地域では、規制アプローチを採用する代わりに、仮想通貨の禁止を除外しています。
実際、多くの米国当局は、中国の仮想通貨取引き禁止について、革新を利用して業界を歓迎する絶好の機会と見なしています。
このようにみなしている当局者には、テッド・クルーズ(Ted Cruz)上院議員やSEC、米国証券取引委員会(SEC)のコミッショナーであるへスター・パース(Hester Peirce)氏、パット・トゥーミー(Pat Toomey)上院議員なども同様の意見として知られています。
さらに、シンガポールでも仮想通貨取引きについては禁止しないことを選択されています。
MAS(シンガポール金融管理局)ディレクターのRavi Menon(ラヴィ・メノン)氏は、仮想通貨について、「経済と社会に非常に良い結果をもたらす」可能性があると考えており、仮想通貨がその中で機能するための規制の枠組みを作り上げたいとの考えを明らかにしています。