11月27日、金融庁はQ&Aサイト運営会社であるオウケイウェイヴ子会社のLastRootsを正式な仮想通貨交換業者として認定しました。
LastRootsはこれまでみなし業者としてRYO(こばん)という独自トークンの取引を行なっていましたが、今回の昇格で多くの動向が予想されます。
今回の報道の経緯と、LastRootsの業態に迫ります。
要点
金融庁は新たなる正式な仮想通貨交換業者としてLastRootsを認定しました。今回報道を受けた取引所の業態などを明かします。
金融庁が新仮想通貨交換業者を認定
11月27日に新しい正式な仮想通貨交換業者が誕生しました。LastRootsが金融庁からお墨付きを受け、仮想通貨取引所として本格的な歩みを始めます。
この時点で、金融庁認定を受けた仮想通貨取引所は19社です。2019年は前年に大規模なハッキング被害を受け、一度金融庁の認定を外されたコインチェックの復活や楽天ウォレット、ディーカレットの新規参入がありました。
今回のLastRootsの参入により2019年だけで4社が新たに交換業者として名を連ねています。
金融庁は仮想通貨取引所に対し厳正な審査を行い、認定の可否を決めています。DMMビットコインやGMOコインなど有名な取引所はほとんど金融庁から認可を受けており、日々通貨の取引体制やセキュリティの徹底を行っています。
今回のLastRootsもお墨付きを受け、利用者が安心して利用可能な場所とわかりました。
LastRootsとは何か
LastRootsはQ&Aサイト運営のオウケイウェイヴ子会社として、2016年6月2日に創業となりました。
主な事業内容は「c0ban(こばん)」の独自開発とその売買の場である仮想通貨取引所の運営です。c0banの単位は「RYO」です。
同社はc0banの広告も展開中で、これを見ただけでc0banを入手可能というシンプルかつ新感覚のサービスを行なっています。
これまで広告はネットの速度を遅めたり、見たい情報をさえぎる形で突然現れたりして、邪魔に思う人も多かったでしょう。しかしc0ban広告は現金に換えられるトークン入手につながるので、逆にラッキーと考えられます。
LastRootsではオンラインや店舗での決済ソリューションや送金手段などの確立も目指しているとのことなので、今回の報道をきっかけに今後の動向が期待されます。
c0banとは?
c0banとは取引所LastRootsで売買できる仮想通貨です。
2016年7月に開催したICOでは6億円の調達に成功し、取引所、ウォレット、アプリなどのリリースにつながりました。
特に2017年2月から開始した動画広告「c0ban.tv」は、2018年7月以降に利用者が急増し、同年9月には月間600万以上の視聴者が現れたとのことです。
現在c0banは国内ではLastRootsでしか取引できず、金融庁資料にもその旨が示されています。一方でLastRootsでもc0ban以外の仮想通貨は取り扱っておらず、1つの仮想通貨専用の取引所という印象です。
それでも現在の相場は1RYO100円を上回っています。リップルなど人気の仮想通貨よりも高く取引されており、将来性が注目されます。
LastRootsの今後は?
LastRootsの26日発表によると、今後は取引所授業への集中のため、「c0ban.tv Web」をはじめ複数のサービスを打ち切るとのことです。
金融庁のお墨付きにふさわしい活動を展開するため、大幅な体制変更の可能性も考えられます。
たとえばc0banだけでなく、ビットコインやイーサリアムなどのメジャーな仮想通貨流通開始があってもおかしくありません。
いずれにしてもLastRootsの今後の動向が気になります。
まとめ
11月26日にLastRootsから新たな金融庁認可の仮想通貨交換業者に認められました。この取引所は兼ねてからc0banという独自通貨のみを扱い、それをベースに動画広告などのサービスも展開していました。
しかし今回の見なし業者からの格上げにより、動画広告を終わらせるなど、大幅な体制変更がうかがわれます。LastRootsが金融庁からの合格判定を機にどう変わっていくかに注目しましょう。