要点
・この新展開により、仮想通貨を購入、保持、交換が簡単にでき、ユーザーは仮想通貨を即座に法定通貨に変換でき、マスターカードが受け入れられているあらゆる場所で使用できるようになります。
ワイレックス(Wirex)が新たな展開へ
マスターカード(Mastercard)が21日(月曜)、イギリス・ロンドンに本社を構える仮想通貨決済システムを運営する企業のWirex(ワイレックス)で、プリンシパルメンバーシップステータス(principal membership status)を付与し、それを行う最初のネイティブの仮想通貨企業になったと発表しました。
このメンバーシップにより、ロンドンを拠点とするデジタル決済会社であるWirexは、支払いカードを消費者に直接発行できます。
ユーザーは、仮想通貨を購入・保持・交換することを簡単にできるほか、消費者は仮想通貨を即座にフィアット(法定通貨)に変換でき、マスターカードが世界中で受け入れられているあらゆる場所で使用できるようになります。
ユーザーは、Wirexのクリプトバック(Cryptoback)報酬プログラムのメリットも享受でき、このプログラムは、店内での購入ごとにビットコインで最大1.5%を自動的に顧客に還元していくとマスターカード社の公式発表の中で述べられています。
なお、この報酬プログラムについては現段階で正式発表されていないものの、今後、アップグレードされる予定で、オンラインおよび店舗での報酬が最大で2%にまでアップされるほか、Wirexのネイティブトークンによる報酬を受け取る場合、その還元率は最大で6%になる予定です。
マスターカードのデジタルアセットとブロックチェーンのエグゼクティブバイスプレジデントであるラージ・ダモダーラン(Raj Dhamodharan)氏は、この契約はWirex社のデジタルアセットプログラムの拡大の一環であり、現在は他のスタートアップ仮想通貨関連企業が主要メンバーになることを可能にするために緩和されていると語りました。
仮想通貨市場は成熟し続けており、マスターカードはそれを推進し、今日のデジタル経済における消費者と企業に安全で安心な体験を生み出しています。
仮想通貨市場は成熟し続けていおり、Wirex社とより広い仮想通貨エコシステムとの取り組みは、イノベーションを加速させ、消費者に支払い方法の選択肢を広げていきます
とダモダーラン氏は声明で述べています。
これまで、Wirexのクリプトデビットカードは、マスターカードのライバルであるVisaにありました。
このカードは、Visaからのライセンスに基づいて、ドイツのフィンテックグループWirecardによって発行されていました。
しかし、21億ドル(約2,190億円)のキャッシュスキャンダルがなくなった最近のWirecardの終えんは、Wirexなどの実際のカードサービスに悪影響を及ぼしており、代替策を模索するように強いられていました。
Wirexの最高経営責任者兼共同創設者であるパベル・マトヴェエフ(Pavel Matveev)氏は
Mastercardの主要メンバーシップは、主要機関や規制当局による仮想通貨の受け入れに対する関心と認識の高まりを表しています。
と述べています。
ワイレックス(Wirex)社について
(※画像引用先:Wirex)
WirexはイギリスのFCA(Financial Conduct Authority=金融行動監視機構)によって規制されており、ヨーロッパでカードを発行するライセンスを所有している仮想通貨関連企業です。
Wirexは、過去18カ月間で急速に成長している企業で、アジア太平洋地域への拡大とネイティブのワイレックストークン(Wirex Token/WXT)のリリースに成功しています。
今年後半には、追加の通貨や無料の国際ATM引き出しなどの機能を備えた、ヨーロッパユーザー向けに次世代のWirexカードを発売する予定もあるとのこと。
Wirexはまた、Wirex Businessクライアント向けのコーポレートカードの発行を開始する予定もあわせて公表されています。
Wirexは今年初め、プラットフォームのアクティブユーザーが300万人を達成しており、Wirexのサービスにより、130カ国に広がるユーザーは、既存の専用カードとモバイルアプリを利用することで、仮想通貨と法定通貨の両方が使用可能です。