米リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOが、23日公開の米CNBCで受けたインタビューが話題になっています。
彼は米SEC(証券取引委員会)との裁判について、自社の主張に自信を示しました。
そのうえでSECについては、法的権限を超えていると批判しています。
ガーリングハウスCEOの裁判への考えについて、これから見ていきましょう。
要点
リップル社とSECの裁判の経緯まとめ
2020年12月にSECがリップル社を提訴してから、まもなく2年が経ちます。
このときSECは、リップル社が違法証券募集をしたとして、差止命令や調達資金没収などをニューヨーク南連邦地方裁判所に求めました。
SECはリップル社発行の仮想通貨XRPについて、有価証券としています。
有価証券とは、証券市場での売買対象となる金融資産を意味します。
SECは、米国では有価証券の場合、1933年表現法に基づいた登録届出をせずに販売活動をするのは違法と考えているようです。
以上からXRPが登録届出を済ませておらず、販売をするのは違法と主張しました。
一方でリップル社は、XRPを有価証券に当たらないとして、争う姿勢を見せています。
2022年9月13日に、リップル社とSECは、ニューヨーク地方裁判所南地区に略式判決を申し立てました。
これにより裁判の決着が大きく近づいた可能性があります。
今後の裁判の行方は、リップル社だけでなく、仮想通貨業界にも影響を与えるでしょう。
ガーリングハウスCEOの裁判に対する考え
ガーリングハウスCEOは、今回の略式判決の申し立てについて、あらためて自社の主張に自信を示しました。
彼にとってSECは、法的権限を超えようとしているからです。
ガーリングハウスCEOの主張によると、仮想通貨XRPには、当事者同士の合意を要する投資契約が存在しないといいます。
1933年証券法では投資契約が前提になりますが、ガーリングハウスCEOは、仮想通貨XRPがそれにあたらないといいます。
実際にリップルに限らず仮想通貨は、事業者介入なしでユーザー間同士の個人取引が可能です。
また決済のような別用途に使う人もいます。
確かにガーリングハウスCEOの主張のように、有価証券とはいいきれない面もあるでしょう。
またリップル社は、投資契約の定義に合う可能性を調べるハウィーテストにも、XRPは当てはまらないと主張しています。
SECはハウィーテストに基づいて、トークン販売の一種「ICO」をした事業者にも訴訟を起こしたことがあります。
しかしリップル社はXRPについて、ハウィーテストに該当しないから大丈夫だと考えているようです。
果たしてリップル社の主張は、裁判で受け入れられるのでしょうか。
Twitterからは以下の口コミが挙がっています。
SECへの批判
ガーリングハウスCEOは、今回の裁判をめぐり、SECに批判的です。
法的権限を超えようとしているからだといいます。
またリップル社が迅速に裁判を進めようとしても、SECが引き延ばそうとしているとも主張する状況です。
たとえばSECは裁判所から5回にわたり、前企業財務部門部長のウィリアム・ヒンマン氏のスピーチに関連するメモを出すように命じられました。
しかし実際はまだ提出されていない状況です。
ガーリングハウスCEOはこのような点から、SECの引き延ばし行為を語っているのでしょう。
いずれにしてもリップル社は、SECの規制スタンスを嫌っている印象です。
まとめ
リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOの新たな声明は、話題を呼ぶでしょう。
同社はSECとの裁判で、略式判決を申し立てており、それについて自信を示したからです。
この裁判はリップル社だけでなく、仮想通貨業界の命運を握る裁判ともとれます。
それだけに注目する方も多いでしょう。
リップル社は今回の裁判について、SECの越権行為を主張しており、その点への答えにも注目が集まりそうです。
いずれにしても、今後の動向から目が離せません。