米リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOは11日に、米SEC(証券取引委員会)との裁判をめぐる見解を示しました。
CEOは裁判について、2023年上半期に判決が出ると予測しています。
背景には、2022年9月のリップル社とSECの双方から出た略式判決申し立てなどが関わっているでしょう。
リップル社の裁判をめぐる新たな見解について、詳細をまとめました。
要点
目次
リップル社CEOはなぜ2023年上半期の決着を予測するのか?
リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOは、2023年上半期までの判決を予測しています。
2022年9月にリップル社とSECが、それぞれ略式判決を申し立てています。
カーリングハウスCEOは「フィンテック・ウィーク」の公開インタビューで、裁判をめぐる新たな見解を明かしました。
リップル社は、11月半ばに準備書面を揃える見通しです。
以上から早くて3~4カ月以内の判決を見積もっています。
遅くても2023年半ばには判決が出るとのことです。
このようにガーリングハウスCEOは、決着の時期を見据えるようになりました。
リップル社CEOの発言について、Twitterでは以下の口コミが寄せられています。
リップル社CEOは、米連邦議会提出のDECAを支持
リップル社のガーリングハウスCEOは、DECAを支持しています。
DECAとは、米のデジタル商品取引法案です。
4月末に米連邦議会に出されています。
ガーリングハウスCEOは、DECAこそが仮想通貨規制をはっきりさせると見ています。
実際にDECAでは、リップル社の裁判相手であるSECの管轄権も明確化する見通しです。
ガーリングハウスCEOは、SECの強硬姿勢ではなく、DECAのようなルールでの仮想通貨運用を望んでいるのでしょう。
リップル社はSECと和解できるのか?
ガーリングハウスCEOは11日のインタビューで、SECとの和解の可能性にも触れました。
SECが仮想通貨XRPを有価証券でないと認めれば、和解に応じるつもりだそうです。
しかしガーリングハウスCEOは、SECのゲーリー・ゲンスラー委員長の発言が、問題の収束を難しくしているとも見ています。
ゲンスラー委員長は、すべての仮想通貨が証券になると主張する状況です。
このようなSECの強硬なスタンスが、かえってリップル社の対抗姿勢を強めているのでしょう。
以上を考えると、リップル社とSECの和解は、慎重に考えなければなりません。
SECは裁判所から2018年講演関連文書の提出を命じられている
最近の裁判は、リップル社に有利な展開になっています。
9月29日に米国連邦地裁は、SECの異議申し立て却下をしていました。
加えてSECに対し、2018年講演の関連文書提出を命じています。
講演関連文書が必要な理由は、2018年6月の講演における、当時のウィリアム・ヒンマンSEC企業金融ディレクターの発言でしょう。
ここでヒンマン氏はSECが、ビットコインやイーサリアムを有価証券と認めない見解を示しました。
リップル社も当時の講演関連資料を、裁判において重要と見ています。
SECは仮想通貨XRPを有価証券であると主張していますが、講演資料がそれを覆す可能性があります。
現時点でSECが講演関連資料を提出したという報道は見られません。
果たしてヒンマン氏の講演が、リップル社の裁判に影響を与えるのでしょうか。
まとめ
リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOは、SECとの裁判をめぐり、新しい見解を示しました。
2023年上半期までの判決を予測しています。
またSECの過去の講演関連資料が、裁判のカギになるなど、多様な主張を示す状況です。
リップル社とSECは、ともに9月に略式判決を申し立てているため、決着が近いことが予想されます。
ガーリングハウスCEOの見解どおり、2023年上半期までに判決が下るのでしょうか。
今後の展開からも目が離せません。