リップル社の一部勝訴が仮想通貨業界でニュースになっています。
以上を受けて同社は、自社開発のODLの活用拡大を期待する状況です。
一方でSEC(米証券取引委員会)のゲーリー・ゲンスラー委員長は、判決の一部に落胆を示しました。
当事者たちの見解をまとめます。
要点
リップル社とSECの裁判結果まとめ
13日にリップル社は、SECとの裁判で一部勝訴しました。
一般的な取引所を通して個人へ売買される仮想通貨XRPについて、有価証券性が否定されています。
以上からXRPは個人向けの場合、有価証券登録のような法的手続きが不要です。
一方で機関投資家へ販売する分は、連邦証券法違反という結論が下りました。
今回の裁判結果でリップル社による有価証券性の否定が、大半の部分で認められています。
しかし機関投資家への販売で登録手続きが必要な点は、SECの主張が受け入れられた形です。
今回の判例は、他の仮想通貨の存在意義にも影響を与えるでしょう。
XRPは個人での取引では有価証券にあたらないので、今後はスムーズに売買を続けられます。
このような判決により、仮想通貨業界の規制も部分的に明確化しました。
リップル社は米国内のODL普及に期待をかける
リップル社のスチュアート・アルデロティ最高法務責任者は、14日のCNBCのインタビューで判決に対する見解を示しました。
CNBCはアルデロティ氏の見解について、以下のように報じています。
訳:判決によって米国内の銀行がODL製品を利用すべくリップルに戻ってくるかと問われると、アルデロティ氏は「その答えはイエスだと思う」と述べた。
出典:CNBC
ODLとはリップル社が開発した国際送金システムで、仮想通貨XRPを利用します。
送金スピードが速く、手数料も安いので、経済活動の円滑化を期待される状況です。
しかしリップル社が裁判中の時期は、こうしたシステムに手を出しにくい金融機関もあったでしょう。
アルデロティ氏は今回の判決を受けて、米国内でのODLの活用例が増えることを期待しています。
今後米国の金融機関は、リップル社のサービスを積極的に使うのでしょうか。
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ゲンスラーSEC委員長は裁判結果に満足と落胆を示す
一方でSECのゲーリー・ゲンスラー委員長は、17日にヤフーファイナンスのインタビューに応え、裁判に対する見解を示しました。
それによるとゲンスラー委員長は、機関投資家向けのトークンが有価証券と認められた点を評価しながら「個人投資家に売るときはそうでないというのは残念だ」と述べています。
ゲンスラー委員長は、いかなる状況でも仮想通貨は有価証券として取引されるべきと考えていました。
しかし個人投資家向けのトークンについては、有価証券性を否定されています。
このような判決は、規制に対するSECの強硬姿勢にも影響を与えるでしょう。
ゲンスラー委員長は今回の判決を受け、これからどのように動くのでしょうか。
Twitterでは以下の口コミがありました。
まとめ
リップル社とSECの裁判では、前者に有利な一部判決が下りました。
個人投資家に販売する仮想通貨について、有価証券性が否定されています。
リップル社は今回をきっかけとして、米国内でODL活用が広まると予測しました。
一方でSECのゲンスラー委員長は、一部判決に落胆を示しています。
しかし今回の判決を通し、仮想通貨に対する規制のあり方が一部わかりました。
これから多くの方が、安心して取引できるでしょう。