米リップル社が、27日に2023年第1四半期のマーケットレポートを公開しました。
このなかで同社は仮想通貨XRPの販売総額アップや、XRP台帳(XRPL)を使ったオンチェーン活動の拡大などをアピールしています。
さらにブロックチェーン間の相互運用や、世界的な仮想通貨規制の整備にも言及しました。
米リップル社の最新レポートについて、詳細を解説します。
要点
XRP販売総額は100億円以上アップ
リップル社の2023年第1四半期のレポートによると、XRPの販売総額が約3.6億ドル(約482億円)に達しました。
2022年第4四半期の約2.3億ドル(約308億円)から約1.3億ドル(約174億円)の増加です。
以上からXRPは、順調な市場拡大がうかがえます。
今後の発展にも注目が集まりそうです。
リップル社は、国際送金ソリューション「ODL」運用にともない、XRPを販売しています。
ODLはXRPを使ったシステムなので、充分な機能にはXRPの一定供給が欠かせません。
そこでリップル社はオープン市場からXRPを調達して、購入による市場影響がなるべく出ないようにしています。
以上の取り組みからXRPの信頼性が上がり、市場拡大につながっているのでしょう。
XRPLを使ったオンチェーン活動も拡大
リップル社は、XRPL上のオンチェーン活動の拡大にも言及しました。
2022年第4四半期との比較で、DeFiでの取引高は約34%増加しています。
さらに中央集権型取引所でも、1日あたりの平均取引量が約46%アップする状況です。
このように、取引所でのXRPの売買機会が広がっています。
リップル社は以上の結果について、NFTを主要要因に挙げました。
DeFiにおけるNFTの取引例が多く、同社の利益に貢献しているからです。
レポートによる2022年10月のXLS20の実装以来、XRPL上では100万を超えるNFTが作られました。
このように仮想通貨だけでなく、NFTでもリップル社の貢献が目立ちます。
ブロックチェーン同士の相互運用基準の提案も
リップル社はブロックチェーン間の相互運用性を現実にするべく、新しい標準「XLS38d」を提案しています。
ブロックチェーン間で仮想通貨やデータをやり取りするしくみです。
XLS38dでは、プロトコルやプログラミング言語などの制限を問われません。
こちらが実現すれば、XRPLとほかのブロックチェーンの併用も可能です。
イーサリアムやビットコインなどのネットワークとも連携できるでしょう。
ブロックチェーン同士の連携が広まれば、XRPLのアピールもしやすくなります。
世界的な仮想通貨規制の整備にも言及
リップル社は、世界中の仮想通貨業界における規制整備にも言及しました。
EUや英国、アラブ首長国連邦(UAE)の規制整備を評価しています。
一方で米国に対しては、SECがガイドラインを示さないまま特定業者を取り締まっていると指摘しました。
リップル社はXRPの販売方法をめぐり、SEC(米証券取引委員会)との裁判が続いています。
同社は世界的な仮想通貨規制の整備を評価しつつも、米国での規制の不透明性には批判的です。
まとめ
リップル社が2023年第1四半期のマーケットレポートを公開しました。
販売総額の大幅な増加や、XRPL上の活動の発展などをアピールしています。
一方で米国での仮想通貨規制の不透明性など、懸念事項も示しました。
総合的に見ると、リップル社の活動は順調といえます。
米国でのSECとの裁判のように課題はありますが、今後のさらなる発展に期待しましょう。