リップル社とタイ最古の銀行であるSiam Commerical Bank(SCB)は、共同で国際送金アプリを開発したことをリップル社が公式アナウンスしました。
リップルが、モバイル決済アプリ「SCB Easy」を発表
SCBは、1,600万人を超える顧客を抱えており、リップルで動作するモバイルアプリケーション「SCB Easy」を開発しました。
SCBのシニア・バイス・プレジデントであるArthit Sriumporn氏は、シンガポールで行われたリップルの国際カンファレンス、Swellにも登壇しています。Swellでは、「SCB Easy」のデモを提示し、僅か40秒で受取人の銀行口座に振り込まれる手順を見せています。
PwCの調査によると、モバイル決済を使用している上位10ヶ国の内、8ヶ国はアジア圏で、タイでは67%の人がモバイル決済アプリを使用しています。
Sriumporn氏は、今回の国際決済システムの開発について、以下のように語っています。
「現代の金融システムでは、お金を送受信するのはとても難しい。人々は物理的に銀行の支店に行き、長く複雑なフォームに記入し、支払いが受領されるのを待たなければなりません。透明性はありません。私たちのサービスにより、海外からのユーザーもすぐに支払いを転送し、お金を受け取ることができます。」
Swellの発表でも、今回の公式発表でも「SCB Easy」について、リップルが開発する外貨準備サポート技術、ODL(On-demand Liquidity)を活用したものである言及はありませんでした。
QRコードを利用した、送金サービスとマイクロペイメントの実現
SCBは今年から、CLMV国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)への進出も計画しており、Rippleと提携しEMVCo社によるQRコード決済も提供します。
QRコードによる決済は、通常ローカルな地域でのみ使用される決済方法ですが、SCBが提供するQRコード決済であれば、国内外で送金サービスだけでなく、マイクロペイメントに使うことも出来るようになります。
あなたがタイに観光に来ることを想像してみてください。母国のモバイルアプリケーションを使用して支払いをすることで、現地通貨に両替する必要がなくなります。QRコードの決済で、すぐに商品を受け取ることが出来るようになります。
東南アジアでのXRP需要は上昇中
リップルは、外貨の準備をサポートするODL(On-Demand Liquidity)のパートナー会社を増やしており、現在24のパートナーがこのシステムを利用しています。
ODLを採用しているフィリピンのパートナー、Coins.Phによると、XRPの昨年12月1日~15日の間に、30倍以上取引量が増えていることが分かっています。
従来國際送金に必要だった高額な手数料が、これにより大幅に安くなることが要因になっています。
まとめ
QRコードを利用した決済方法は、アジアを中心として進んできています。しかし、その国や決済会社に対応したモバイルアプリをその都度インストールする必要があり、観光者にとってはやや不便でした。
Siam銀行が今年から提供予定のQRコード決済が実現すれば、QR決済が日常化している観光客の取り込みに成功するだけでなく、リップルネットワークの名前が、大きく広がるのではないでしょうか。