要点
・このサービスを通じて日立では、安全な企業間データ取引を促進し、新しい価値・ビジネス創出に貢献して行く方針とのこと。
・れまで培った開発実績をもとに、ユースケースを3つに細分化し、幅広いビジネスや、ますます複雑化する業務に柔軟に対応して行くと発表しています。
日立製作所がブロックチェーン技術を導入へ
株式会社日立製作所(/東原敏昭最高経営責任者(CEO)が10月30日より、企業が保有する業務データをつなぎ、“信頼(トラスト)”を担保した企業間取引の実現を支援する「ブロックチェーンシステム開発支援サービス」を提供開始した事がプレスリリースによって分かりました。
同社が提供する企業間取引の実現に向けたサービスは、ブロックチェーンの特性である高い改ざん耐性に着目したサービスで、業務アプリケーションの開発や導入を迅速化させていく事を実現化させたものです。
ブロックチェーン基盤だけでなく、開発環境や業務テンプレートなど各種機能を整備したうえで、システム基盤の環境提供や設計コンサルティング、アプリケーションの構築から運用までのトータルサポートにブロックチェーンシステムを導入したと発表されています。
具体的なシステムの内容とは?
日立は、ブロックチェーンシステムを用いて高ニーズユースケースを汎用化した業務テンプレートを作成すると発表しています。
難易度が高いブロックチェーン特有のコーディングを自動生成できる開発フレームワークを独自開発するなど、顧客のビジネス要件に柔軟かつ迅速に対応する機能群を整備し、ブロックチェーンシステムの導入を支援して行く方針とのこと。
同サービスの提供を通じて、2007年に発生したサブプライム住宅ローン危機を発端としたリーマン・ショック及びそれによって連鎖発生した世界金融危機や、後に続いた景気後退後の金融状態である現時点において、安全な企業間データ取引を促進し、新しい価値・ビジネス創出に貢献して行く方針を打ち出しています。
サービスの細分化によってできること
※画像引用元:株式会社日立製作所 プレスリリース
2019年3月より日立では、マネージド型クラウドサービスの一環として、ブロックチェーン基盤の構築から運用保守まで包括的にサポートする『Hitachi Blockchain Service for Hyperledger Fabric』の提供をしています。
ブロックチェーンを安全に制御する独自のRASフレームワークや、精通した人材によるサポートサービスを通じ、稼働状況のモニタリングなど、ブロックチェーン基盤の安定したシステム運用を実現した実績を持っています。
今回提供開始されたブロックチェーンシステム開発支援サービスは、このHitachi Blockchain Service for Hyperledger Fabricを活用しており、日立がこれまで培った開発実績をもとに、ユースケースを
・証跡共有型
・価値流通型
・自動執行型
以上の3つに分類し、各類型に対応する開発部品群を整備しているとのこと。
幅広いビジネスや、ますます複雑化する業務に柔軟に対応し、最適なブロックチェーンシステムを構築していくため、3タイプそれぞれに特化したユースケースだけではなく、各対応の機能やノウハウを組み合わせ、幅広いニーズに適した安全なデータ交換および共有ができる仕組みを、柔軟に構築するとのこと。
証跡共有型の電子署名テンプレートに価値流通型のトークンを組み合わせることで、電子署名によるリモートでの契約から、所有権をトークンとして発行・移動・物品管理まで、物品貸借管理を一つのブロックチェーンシステム上で実現することが可能だという。
ほかにも、証跡共有型のサプライチェーンテンプレートと自動執行型のスマートコントラクトを組み合わせ、サプライチェーンにおける受発注時の、商品の生産から消費までの過程を追跡し、決済を自動化させる事も可能になるという。
日立では、Hyperledger Fabricへの参画を通じ、これまでにもグローバル標準のブロックチェーンコア機能の開発を推進しているほか、多種多様なシステム構築実績や、セキュリティ/データ処理技術等の研究成果を活用した強化機能を開発するなど、ブロックチェーン基盤の強化、ユースケース開発、独自機能強化などに取り組んでいます。