【要点】
・登録停止の理由について、DucatとLockeと呼ばれる2トークンに関する十分な情報が記述されていなかったことが原因とみられています。
・American CryptoFed DAO LLCは、問題に直面してトークンが発行できない可能性が浮上しています。
SECがDAOのトークン登録を停止
米国証券取引委員会(SEC)は、米国・ワイオミング州で法的地位を獲得した分散型自立組織(DAO)と、DAOによって計画されたトークンDucatとLocke を証券としての登録を凍結させたと発表した事が分かりました。
SECは11月11日、ワイオミング州初のDAOであると自称しているAmerican CryptoFed DAO LLCに対して訴訟を起こし、トークンの登録が凍結されたとしました。
同州は2021年初めに激しく議論された法律を可決し、DAOが州の憲章と有限責任会社としての公認を求めることを許可されています。
American CryptoFed DAO LLCは、9月にSECにフォーム10を提出。
これは、米国の取引所で取引するための証券の登録に使用されるものですが、SECによると提出されたフォーム10には、同社が発行したいと考えていたDucatとLockeという名前の2つのトークンに関する十分な情報が記述されていませんでした。
流通市場でこれらのトークンを使用するために登録し、初期値よりも高い売上で返金可能なオークションを実施。
機能については、Lockeトークンはガバナンス決定のためのものとみられるものの、Ducatトークンは典型的なトランザクションであったことが分かっています。
SECは11日の声明で、AmericanCryptoFedに関する必要な情報もフォームから欠落していると述べました。
AmericanCryptoFedは、ワイオミング州に登録された際、米国初のDAOとして法的地位を付与されています。
同社はEOSブロックチェーン上で運営されており、米国に新しい通貨システムを導入したいと述べています。
問題に直面してトークンが発行できない可能性が浮上
仮想通貨の世界でDAOは、一般的な企業のように有料の階層に依存するのではなく、トークン所有者に制御を分散させる組織と位置付けられています。
DAOは、機能するためにイーサリアムブロックチェーンを使用する傾向があるものの、他のスマートコントラクト対応ネットワークにポップアップするものも。
2021年3月、ワイオミング州はDAOを有限責任会社として認める法案を可決させています。
この可決は米国初の州であり、仮想通貨に優しい州としてのワイオミングの評判をいっそう高めました。
ワイオミングは長い間、仮想通貨をテキサス州に歓迎。
2019年には、フィンテックのイノベーターを引き付けるために設計された一連の仮想通貨に優しい法案を可決しています。
また、2020年に仮想通貨銀行憲章を発行した米国初の州になりました。
さらに、ワイオミング州のシンシア・ルミス（Cynthia Lummis）上院議員も、ビットコインを頻繁に賞賛しています。
ワイオミング州で最初のDAOLLCですが、American CryptoFedはすでに問題に直面しています。
そのため、トークンをまったく発行できない可能性が浮上しており、SECは声明の中で次のように語っています。
SECの命令は、投資家の保護が「Ducat」および「Locke」トークンのAmericanCryptoFedの登録の発効日を拒否または一時停止することが必要かつ適切であるかどうかを判断するための行政手続を開始します。
さらに、SEC執行部門サイバーユニットの責任者のクリスティーナ・リットマン（Kristina Littman）氏は、ワイオミングDAO法はいくつかの批判に直面していると指摘。
Anderson KillLawのパートナーであるプレストン・バーン（Preston Byrne）氏は、この法律はトークンホーカーがシットコインと中途半端なコードの販売を正当化するために使用する」と述べている。
なお、行政法判事は、さらなる調査が行われるまで、AmericanCryptoFedのトークンの登録を拒否するか一時停止するかを決定する。
