先週から金融市場が混乱しており、ビットコインは資金逃避先になって価格が上昇していると指摘されています。
今後のビットコインの値動きを占う、金融市場の動向を簡単にまとめました。
要点
ビットコインと関係の深い国際情勢まとめ!
先週からビットコインの価格が上昇していますが、その背景にあるのが「米中貿易摩擦」に始まる世界経済の不透明感だと言われています。
今回は現時点でビットコインの値動きに関係する重要な世界情勢をまとめました。(記事を書いたのは8日時点でのもので情勢はひごとに変化する可能性があります)
ポイント①米中貿易摩擦(米中為替戦争)
まず押さえておきたいのが「米中貿易摩擦」。
これは米国と中国がお互いの貿易が不利だと主張し、双方で関税をかけあうなど事態が泥沼化しています。
そして、ここまで株式市場が混乱しているのは、貿易摩擦が「為替戦争」に発展しかけているからです。
今月5日、米政府は中国に対し25年ぶりに「為替操作国」に認定。
例えばドルと人民元があった場合、通貨が安い方が輸出にかんして儲かることができます。
そこで米国は中国を「為替を操作していて違反」と主張しているのです。
ポイント②人民元下落
「人民元下落→米政権の保護主義→リスクオフの円高→日本の株安」といった経路でしょう -- 人民元相場に日本株も翻弄:日本経済新聞 https://t.co/lWIJvZ5vu8
— 清水功哉(日本経済新聞) (@IsayaShimizu) August 7, 2019
そして、今回の金融市場の混乱を招いているのが「人民元下落」。
中国の通貨である人民元は7日朝、2008年ぶりに対ドル価格で下落しました。
一見このことは何もないように思えますが、世界最大の輸出入をおこなう中国の為替が大きく変動することは、世界経済にとって大きな影響を及ぼします。
特に、リーマンショックに端を発した世界経済後退からの回復は、中国が為替をささえてきたから実現したとも指摘されるほどです。
ポイント③利下げ
このような世界経済の不透明感が漂う中、先週米国はおよそ10年ぶりに利下げを実施。
簡単にいうと、利下げを行えば経済への負担がかからなくなるため、米国は利下げを実施したわけです。
そして、8日になりインド、タイ、ニュージーランドといった世界中の新興国も事態を懸念して利下げを実施。
米中の貿易摩擦の長期化などで世界経済の減速感が強まっていることを受けて、インドとタイ、それにニュージーランドの中央銀行は7日、相次いで政策金利の引き下げを決めました。各国の中央銀行が米中の対立の激化に警戒感を強めています。 https://t.co/lTroodoFqp
— NHK国際部 (@nhk_kokusai) August 7, 2019
これらの国が利下げするのも「世界各国の情勢が悪化する前に先に利下げをして手を打っておこう」という作戦。
今後多くの国が利下げをし始めたら、米国、中国だけではなく世界中で「通貨安戦争(=自国の通貨を下げることで経済の負担を軽くする)」に発展しかねないので、今後の動向に注目。
また、これらを背景に、どこの国にも属さず金融市場の影響を受けないといわれるビットコインは資産逃避で価格が上昇していると言われています。
まとめ
現在の世界情勢の注目ポイントとなるのが「米中貿易摩擦」、「人民元下落」、「利下げ」。
現在はいずれの要因もまだ終息には至っていないので、これらのワードをおさえつつメディアをチェックすれば、おおまかに世界で何が起こっているのか、投資家が何に注目しているのかがわかるでしょう。
そして、これらの要因がおさまらない限り、ビットコインは資産逃避先となり価格が上昇する可能性があるので、金融市場をあわせ今後の展開を注視したい場面ではあります。