UAE(アラブ首長国連邦)のVARA(ドバイ仮想通貨規制局)が7日に、関連規制ガイドラインを明かしました。
仮想通貨発行やライセンス制度、匿名性の高い仮想通貨の禁止などが盛り込まれています。
もともと仮想通貨への理解度が高いドバイでしたが、健全な運用のためにルールを定めています。
現地でのガイドラインについて、以下で詳細を見ていきましょう。
要点
ドバイの仮想通貨規制ガイドラインの概要
7日にドバイのVARAは、現地における仮想通貨規制のガイドラインを明かしました。
その中身は仮想通貨発行、ライセンス制度、マーケティングおよびプロモーションなどの基本原則です。
マネーロンダリングやテロ資金をめぐるルールもあり、世界的に懸念される犯罪対策も敷いています。
今回のVARAの動向は、ドバイの仮想通貨ビジネスに対する考え方を示します。
新しい資産分野である仮想通貨に対し、これまでも世界中で規制の動きが見られました。
以上を受けて、ドバイでもルール整備が本格化しています。
VARAは今回のガイドラインによって、ドバイの仮想通貨業界の健全性を守るのでしょう。
今回のガイドラインについて、Twitterでは以下の口コミがありました。
ライセンス制度や違反行為などの規定について
ドバイの仮想通貨ガイドラインでは、さまざまな規制が盛り込まれています。
特筆すべきなのがライセンス制度や違反行為の規定です。
たとえばUAEで仮想通貨サービスをする事業者は、VARA発行のライセンスを要します。
さらに規則違反や債務超過によって取り消される可能性もあるのです。
また市場での違反行為には、罰金の可能性があります。
市場操作やインサイダー取引などの違反行為により、個人では最高2000万ディルハム(約7億円)です。
仮想通貨サービス事業者が犯せば最高5000万ディルハム(約18億円)の罰金が下ります。
VARAはライセンスや違反行為などをめぐり、厳格なルール整備をしています。
匿名性の高い仮想通貨関連の事業活動が禁止に
今回のガイドラインのポイントに、匿名性の高い仮想通貨の規制があります。
VARAはこのような銘柄について、発行や関連事業活動の一切を禁止しました。
匿名性がマネーロンダリングなどに悪用されるかもしれないからでしょう。
VARAはガイドライン発表時点で、匿名性の高い通貨を特定していません。
当てはまると思われるものにはモネロ(XMR)やジーキャッシュ(ZEC)などがあります。
日本でも一時期話題でしたが、現在は取扱廃止になりました。
一部仮想通貨の高い匿名性は、ユーザーのプライバシー保護につながります。
しかし送金者の取引記録まで公開されないため、犯罪の温床になるという指摘もありました。
このような背景からVARAは、健全性を守れない仮想通貨を締め出すスタンスでしょう。
VARAとは
VARAは2022年に設立された仮想通貨規制局です。
現地での仮想通貨業界の発展も、彼らの動向がカギになります。
VARAはガイドラインを定めるにあたり、次の基本原則を示しました。
・技術の中立性やイノベーションサポート
・消費者保護
・規制の柔軟性や効率性、バランス
たとえば技術関連の規制については、どの技術革新に価値があるかは判断しません。
あくまでも違法または有害活動の防止のために、技術面のガイドラインを定める形です。
また規制の柔軟性では、業界の進化に応じたルール適応を目指します。
効率性やバランスは、VARAと事業者の双方が負担を抑えられる形で、規制を進めるという意味です。
VARAはドバイの仮想通貨業界の健全性を守りながらも、組織の利益を考えたルール運用を目指します。
まとめ
ドバイのVARAが、現地の仮想通貨規制ガイドラインを示しました。
違法行為への罰金やライセンス制度などを設けています。
一方で匿名性の高い通貨について、発行や関連活動を禁止しました。
VARAは有害活動やそのきっかけを抑止する一方、仮想通貨事業者の利益を考えながら規制を進めるようです。
世界的に仮想通貨が浸透するなか、ドバイが業界のルールを定めました。