要点
・コミュニティ側はEthereumが市場へ一気に放出され、ETH価格が急激に下落する事を懸念しています。
PlusTokenにリンクするアドレスが移動
$188 Million PlusToken Moves Its ETH Stash for the First Time Since December https://t.co/onxHQ8b4Rw #Ether $ETH #Ethereum
— CryptoGlobe (@CryptoGlobeInfo) June 24, 2020
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(日本語訳)
1億8800万ドルのPlusTokenがETHを(昨年)12月以来で初めて移動
PlusToken(※日本Ver.)にリンクするウォレット、1億8,700万ドル以上のEthereum(イーサリアム)が、別のアドレスに移動し、市場へ放出されるのではないかという懸念が浮上しています。
海外仮想通貨メディアのNEWS Bitcoin.comのまとめによると、PlusToken詐欺に関連するウォレットは、先月24日に789,534 ETH約192億円分が移動し、WheleAlertがツイートを発信しました。
🚨 🚨 🚨 🚨 🚨 🚨 🚨 🚨 🚨 🚨 789,533 #ETH (190,050,469 USD) transferred from unknown wallet to unknown wallet
— Whale Alert (@whale_alert) June 24, 2020
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コミュニティ側は1億8700万ドルのETHが市場へ投入されると、価格が下がる可能性があると懸念しています。
実際にETHが大量に移動した際のEthereumチャートを見てみると、WheleAlertが発信された直後の23時頃には価格が下落していることが見て取れます。
また、その後もETH価格は下がり続けていますが、他の銘柄も下落傾向にあることから、一概には今回の移動による値下がりとは断定できないものの、PlusToken詐欺にリンクされたアドレスは他にも巨額で保有しているものとみられるだけに、決して影響は少なくないので注意が必要です。
当ビットコイン谷では、PlusToken詐欺に関連した特集を以前にもご紹介していますので、参考に
「仮想通貨史上最悪!プラストークン詐欺で首謀者ら刑事責任を問われる」
「詐欺グループのクジラが100億円相当のETHを送金!価格下落を警戒する声も」もご覧ください。
PlusToken詐欺による価格への影響
今回大量に移動していたETHは、50のアドレスに分けられて送金されており、マネーロンダリング(資金洗浄)を実行していたのではないかとみられています。
詐欺師側はETHの他にもブロックチェーンセキュリティ企業のCypherTrace社とChainalysis社は、詐欺師側がまだ大量のBitcoin(ビットコイン)とEOS(イオス)を持っていると主張しています。
PlusToken詐欺は、被害者から総額30億ドル(約3,239億円)を超える仮想通貨を盗んだと考えられています。
~13k in new PlusToken mixer deposits in last 24 hrs.
Almost all previous mixer deposit change has entered mixing, confirming my theory.
Distributions still on/off. Much slower than September and November.
New report and full sit rep imminent. pic.twitter.com/vwrBuVk272
— Ergo ∴Politically Charged∴ (@ErgoBTC) March 6, 2020
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また、今年3月8日には、13,000BTC(約130億円相当)をビットコインミキサー(Bitcoin Mixer=政府などの監視・追跡の可能性からプライバシー(この場合は犯人側)を守る技術)へ移動させて下落しています。
これにより、BTC価格は9,000ドル弱から8,000ドルにまで値下がりし、アジアエリアでの取引価格はさらに値下がりした7,700ドル前後で取引されており、約10%もの下落を招いていました。
さらに、昨年末の12月19日にも100億円相当の789,535ETHが送金されており、WheleAlertがツイートを発信しています。
PlusToken詐欺とは
PlusToken詐欺とは、中国系ピラミッド型ポンジスキームで、世界中へと広がりを見せていた詐欺集団・詐欺犯罪の総称です。
中国に本拠を構えていたPlusTokenは、配当型ウォレットとして誕生しており、自動アビトラージを利用して日利0.3%の高い利益を得ているほか、マイニング収入や紹介特典などで利益を出し、会員へ利益を付与するという触れ込みで広がっていきました。
PlusToken自体は、複数の中国系仮想通貨取引所で上場されており、上場から1年間で190倍にまで値上りをみせ、高い関心が寄せられていました。
プロジェクトは上手くいっていたとみられていましたが、海外メディアは次第にPlusTokenがポンジスキーム(出口詐欺)ではないかと報じられ、最終的には、会員から30億ドル以上を騙し取ったポンジスキームだった事が判明。
中心人物ら6人が逮捕されたものの、実行犯の一部は現在もまだ逮捕されていません。
昨年よりPlusTokenにリンクされたアドレスが大量にミキサーへ移動している件は、まだ逮捕されていない実行犯らが行っているとみられており、まだ大量に残っている搾取した仮想通貨の移動に、市場関係者らは注視しています。