ハードウェアウォレットを提供するLedger社は23日のプレスリリースで、オープンソース化の前倒しを明かしました。
同社からは「Ledger Recover」という新サービスが発表されましたが、信頼性への懸念が指摘され、リリース延期になっています。
そこで透明性向上を通し、サービスに対する信頼を回復させる狙いです。
Ledger社の最近の動向について、詳細をまとめました。
要点
Ledger社とは?
Ledger社とは、仮想通貨ウォレットを提供する企業です。
仮想通貨をデータとして収め、PINコードとリカバリーフレーズでセキュリティを保ちます。
2種類の秘密鍵を使うことで、不正使用のリスクを防げるのです。
PINコードは最大8ケタの数字でできたパスワードになります。
Ledger Nano Sへのログインや送金時に求められる形です。
リカバリーフレーズは24個で構成されます。
初期設定では24個の英単語としてランダムに示される形です。
すべてを入力すれば、Ledgerにアクセスできますが、順番とスペルを正確に入力しなければLedgerを使えません。
リカバリーフレーズはメモを正しくしたうえで、厳重に保管してください。
Ledger社は、強固なセキュリティが特徴のウォレットを提供します。
ハードウェアウォレットと呼ばれる独自端末なので、ハッキング対策になるでしょう。
Ledger社がオープンソース化を加速へ
Ledger社は最近、オープンソース化の加速を表明しました。
コードベースの大部分が、誰でも見られるようになっています。
開発者や専門家がコードを確かめ、健全性を検証できる形です。
無料でコードを活用できるうえ、悪意のあるコードが紛れていないかを誰もが確かめられます。
以上から今回のオープンソースには、一定の安全性を見込めるでしょう。
今回の動向は、5月発表の新サービスであるLedger Recoverが関係しています。
リカバリーフレーズの問題から、ユーザーの批判を受けました。
そこでLedger社はオープンソース化を通し、情報の透明性を示すことで、信頼回復を目指します。
以上の取り組みにより、ウォレットの健全性を周知させる狙いです。
Twitterでは以下の口コミがあるので、ぜひ参考にしてください。
Ledger Recoverとは? なぜ批判されたのか
Ledger Recoverは、Ledger社が開発したウォレット復元サービスです。
自分のリカバリーフレーズを紛失したときに、本人確認を通して復元できます。
リカバリーフレーズとは12個~24個の英単語で構成され、ウォレットのロック解除で求められます。
しかしこれを忘れてしまい、保管中の仮想通貨にアクセスできない方がいるのです。
以上を解決するために、Ledger Recoverが生まれました。
一方でこの新サービスは、ユーザーから批判を浴びています。
Ledger Recoverは、リカバリーフレーズを3分割し、3つのカストディアンに保存する形です。
しかしこのやり方について、不正アクセスのリスクが高まる懸念があります。
また重大犯罪限定ながら、政府の召喚に応じてリカバリーフレーズを提供するときがあるかもしれません。
以上から批判が集まり、Ledger Recoverの無期限リリース延期が決まっています。
そこでLedger社は、オープンソース計画の加速化へ踏み出しています。
Ledger Recoverがリリースできる日まで、同社のオペレーティングシステムを可能な限り多く無料公開する方針です。
情報の透明化によって、ユーザーの信頼を回復できるのでしょうか。
まとめ
Ledger社はリリース延期中のLedger Recoverへの批判を受け、システムのオープンソース化を前倒しします。
開発に関わるシステムを無料公開することで、ユーザーを納得させたいのでしょう。
Ledger社はこれまでハードウェアウォレットを中心に、仮想通貨に関わる便利なサービスを提供してきました。
今回の一件を乗り越え、地位を守れるのでしょうか。