ビットコイン以外にも仮想通貨はたくさんある
仮想通貨という言葉を聞くと真っ先にイメージするのは、ビットコインかもしれません。ニュースやコマーシャルなどでしばしば取り上げられているので、世間一般における知名度も高いでしょう。
確かにビットコインは仮想通貨業界の中でもパイオニア的存在といっていいでしょう。
仮想通貨は、普通の通貨のように政府や中央銀行が発行・運用しているわけではありません。P2Pというインターネットに接続できる端末を持っているユーザー同士でやり取りをするシステムで、取引記録はネットワークのコンピューターの中で常に最新情報に更新され、共有する方式です。
このような記録の残し方は、ブロックチェーン技術と言われています。世界中のどこでもこの条件さえ満たしていれば、送入金ができるわけです。
しかも通貨の交換をする必要がなく、ダイレクトにコインを送れます。そして銀行などを介する必要もないので、手数料がほぼ掛からないのもメリットといえます。
ビットコインの特徴として、発行上限のあるところに留意しておきましょう。ビットコインの単位はBTCで表されますが、プログラミングされた段階で2100万BTCに達すると、それ以上の新規発行はなくなる決まりになっています。
現在のペースで新規発行が行われると仮定した場合、2040年前後にはこの発行上限に達するのではないかと見られています。
ところで仮想通貨と言われると、このビットコインと同じというイメージを持っている人もいるかもしれません。
しかし、ビットコインは、あくまでも仮想通貨の1種類にすぎません。現在発行されているものを見ると、マイナーなものも含めて実に1000種類を超えているのではないかと見られています。
ほとんど知られていない、ごく限られた人の間でトレードされているものもありますし、世界的な大企業が決済での利用を検討している、研究開発にかかわっているようなコインも見られます。仮想通貨を使って資産運用している投資家もいますが、ビットコイン以外の通貨を使っているケースも珍しくありません。
これから注目の仮想通貨とは?
仮想通貨にはビットコイン以外にもいろいろな種類があります。その中でも今後注目の種類について、いくつかピックアップしていきましょう。
イーサリアム
時価総額でみた場合、ビットコインに次ぐ地位にあるのがイーサリアムです。ビットコインの場合、取引記録はコンピューターが連携してつける方式をとっています。
つまりデジタル通貨をつかさどる機能が分散しているのが特徴です。しかしイーサリアムの場合、この機能を一極集中させているのが異なるポイントです。いわば中央集権型のデジタル通貨と表現できます。そして独自の機能・スマートコントラクトを持っているのも相違点の一つです。
スマートコントラクトとは、期限・期間・契約金額・対象者などの重要な契約情報を保管・実行する機能です。設定された期限が来ると、契約に基づき対象者に契約金額が自動的に支払われます。
ちなみに、この契約の記録については、イーサリアムの中で半永久的に残り続けます。このような情報をすべて保管できるので、決済をするときなどの利便性が高いのではないかと期待されています。
Ripple
Rippleも近年注目を集めているデジタル通貨の一つです。この通貨のほかにはない特徴として、ブリッジ機能の装備されている点に注目しましょう。
ブリッジとは文字通り橋のことです。橋渡し的な役割のできるデジタルマネーのことで、他の通貨の交換をするときに間に立つことが可能です。法定通貨・デジタル通貨同士、法定通貨とデジタル通貨を交換するいずれの方法にも対応しています。
通常であれば、両替サービスとか、仮想マネーの場合取引所に行って交換するものですが、Rippleがあれば、デジタル通貨を保管するウォレットの中で両替ができてしまうのです。
インターネットの中だけで両替が成立してしまうので、為替サービスを利用する必要がもはやなくなってしまいます。
ビットコインの場合、新規発行するためにはマイニングを行う必要があります。マイニング作業ではハッシュの計算など複雑な手続きが必要で、大規模のコンピューターがないと作業できません。
しかし、Rippleの場合、取引の整合性さえ確認できればいいので、数秒程度の時間で作業が完了してしまいます。
このような手軽に扱えるところも魅力で、三菱東京UFJ銀行などは海外送金サービスにRippleを活用する方針をとっているほどです。
ライトコイン
まだそれほどデジタル通貨の中で大きな存在にはなっていませんが、新興勢力として台頭しているのがライトコインです。
ビットコインはデジタル通貨初期に登場している分、いろいろな問題点もはらんでいます。その問題点を解消したのが、ライトコインです。
同じP2Pで取引を行っているのですが、ビットコインの場合は1回の取引に10分程度かかってしまいます。しかし、ライトコインの場合、2分程度で済むので大幅な時間短縮が実現できます。
マイニングにかかる時間を削ることに成功したので、スムーズな取引ができるようになりました。
分裂を起こして新しい通貨ができる可能性も
今後さらにデジタル通貨の種類の増える可能性があります。しかも全く新しいもののほかにも、既存の種類が分裂を起こして種類が増えるということも起こりえます。
実際に、2017年の夏場にビットコインとビットコインキャッシュ(BCC)に分裂したのは、ニュースでも報道されたので覚えている人も多いでしょう。
このような分裂が起きた理由は、ユーザーの増加による取引処理の遅延や手数料の高騰への対応策の違いにありました。
開発者側は、データの分散や圧縮などのアップデートで対応することをすでに織り込み済みでした。ところがこのやり方について、中国を中心とした大手業者が反発をして、分裂を招きました。
両者はコインでみた場合の基本的な使用に大きな違いはありません。しかし取引データの格納庫であるブロックのサイズが異なります。
従来のコインの場合、データの圧縮・分散によって、従来1Mだったのが2~4倍の量のデータを格納できるようになりました。
しかし、BCCの場合、初めからブロックを大きくしています。最大8Mのデータが格納できるような仕様にして、ユーザー増加に対処しようとしました。
このように運営方針などの違いによって、仮想通貨が2分されるような事態も十分想定できます。
仮想通貨が分裂することにより、通貨の価格に高騰や暴落など大きく動く可能性が大きくあり、投資チャンスとも捉えることができますが、
しっかりと理解をしていないと間違った投資判断をしてしまうこともあるため、日頃から仮想通貨ニュースを追って、自分なりの見解を持ち続けることが大切なのではないでしょうか。