イーサリアムの開発陣が21日に開いた「コンセンサスレイヤーミーティング118」によれば、次期アップグレード「Dencun」の実施予定が2024年初頭まで遅れるかもしれません。
当初は2023年内を目指していましたが、テストが遅れる可能性から、スケジュールがずれ込みそうです。
この記事では、Dencunに向けた進捗状況について、投稿時点でわかっていることを解説します。
要点
Dencunは2024年初頭実施か
直近のイーサリアム開発陣の会議では、次期アップグレードのDencunについて、予定変更が浮上しました。
当初は2023年内を目指していましたが、2024年初頭へずれ込む可能性があります。
仮想通貨やブロックチェーンのシステム開発は、複雑な要素が多いのです。
そのためスケジュールの変更自体はよくあります。
イーサリアムは以前のアップデート「The Merge」でも、2022年前半の実施を見込んでいましたが、実際に行われたのは2022年9月です。
開発陣は21日に「コンセンサスレイヤーミーティング118」で、開発状況を話し合いました。
しかし進捗が思わしくないことから、2024年への延期が議題に上がっています。
以上から2023年内において、Dencun実施の可能性は低くなったようです。
アップグレードに向けたテストが遅れる可能性
Dencunの予定が遅れる理由として、テスト遅延があります。
イーサリアム開発陣はDencunに向けて、パブリックテストネットでのテストを予定していました。
しかし新テストネットHoleskyの起動が失敗し、1週間程度の延期にいたっています。
以上が開発スケジュールに対し、影響を及ぼしているのでしょう。
開発陣は、予定どおりにテストが行えないと、2023年内のDencunは困難と見ています。
イーサリアムでは11月13日~19日にイベント「Devconnect」を開催予定です。
しかしそれまでにテストができないと、2023年内のアップデートは難しくなります。
開発を急ぐべきか、時間をかけて入念にテストを重ねるべきか、開発陣は選択を迫られる状況です。
いずれにしてもテストの準備が遅れているため、Dencunのスケジュールの修正が必要かもしれません。
Dencunに向けたこれまでの動向
Dencunは2023年6月に、開発陣によって改善案をまとめられました。
EIP-4844「プロトダンクシャーディング」をはじめ、各種新システムの実装が予定されています。
イーサリアムのレイヤー2ブロックチェーンであるオプティミズム(OP)、アービトラム(ARB)などの需要が高まっており、それに応えるためのアップグレードです。
以上からDencunは、主にレイヤー2の利用者にとっての利便性を上げます。
しかし9月にHoleskyが設定不良を起こし、ローンチの延期にいたりました。
また21日の会議を主導したTim Beiko氏は、Holeskyから始めて、Goerli、Sepoliaの順番でアップグレードを進めるべきと主張しています。
そのためHoleskyの起動の遅れは、開発スケジュールに影響を及ぼすかもしれません。
今後もDencunの進捗次第で、スケジュールの変更があるでしょう。
2023年のうちに、どこまで進むのでしょうか。
まとめ
イーサリアムは次期アップグレードとしてDencunを控えていますが、2023年内から2024年初頭への実施延期の可能性があります。
テストネットのひとつであるHoleskyの起動が遅れたからでしょう。
起動の延期によってテストの計画も遅れ、全体のスケジュールに影響が及ぶかもしれません。
Dencunのプロジェクトは、2023年のうちにどこまで進むのでしょうか。
今後の動向に注目しましょう。