英Financial Timesの31日報道によると、SEC(米証券取引委員会)がCoinbaseに対し、ビットコイン以外の全仮想通貨の取引停止を要請していました。
SECは執行部門による正式要請を否定していますが、仮にCoinbaseが応じると業界への大きな打撃になっていたでしょう。
Coinbaseの証言について、詳細をまとめます。
要点
Coinbaseはビットコイン以外の全取引停止を求められていた
英Financial Timesに対しCoinbaseのブライアン・アームストロングCEOは、SECからビットコイン以外の全取引停止を要請されたことを語りました。
SECは2023年6月にCoinbaseを提訴していますが、取引停止の要請があったのはその前です。
これが本当であれば、仮想通貨規制をめぐるSECの強硬姿勢について、さらなる議論が起きるでしょう。
Coinbaseは世界的にも数多くのアルトコインを扱っています。
CoinMarketCapによると、その数は150以上です。
SECの要請通りにすべてのアルトコインの取引を停止すると、経営が難しくなるでしょう。
アームストロングCEOはFinancial Timesに対し、仮想通貨の上場停止について司法の判断を待つ姿勢を語りました。
彼によるとビットコイン以外の取引を停止すれば、米国の仮想通貨業界の終焉につながるからです。
すなわちCoinbaseは業界のために、SECの要請を受け入れていません。
CoinbaseがSECから受けたメッセージは、かなり強硬にも感じられます。
それだけに仮想通貨業界でさらなる議論が巻き起こるでしょう。
Twitterでは以下の口コミがあります。
SECは取引停止の要請を否定
SECは本件について、取引停止の要請を否定しました。
Financial Timesに対し、執行部が特定企業に仮想通貨の上場廃止を求めることはないと述べています。
SECはこれまでCoinbaseやBinanceなど、大手取引所を相次ぎ提訴しました。
しかし組織として、仮想通貨の上場廃止の要求まではしていないと語っています。
一方でSECは、証券取引法上疑問のある行為に対し、スタッフが独自見解を示すかもしれないとも述べました。
取引所による規制に反する行為に対し、スタッフが独自判断で強い行動に出る可能性を挙げています。
SECのメンバーが、自身の判断でCoinbaseに対し、ビットコイン以外の上場停止を求めたのでしょうか。
いずれにしてもCoinbase側の主張が本当であれば、SEC側の人間がかつてない強硬姿勢に出たことになります。
SECがCoinbaseを提訴した背景
SECは6月6日にCoinbaseを米国証券法違反として提訴しました。
Coinbaseについて、少なくとも13種類の仮想通貨を未登録のまま売っていたと主張しています。
提訴にあたり同社に対して、法律に準じた登録要件の遵守や情報開示、投資家保護の取り組みも求めました。
仮想通貨規制に反しているとして、Coinbaseを徹底的に取り締まるスタンスです。
SECは7月13日に、リップル社との裁判で一部敗訴しています。
個人投資家に提供する仮想通貨リップルについて、有価証券とは認められなかったからです。
しかしCoinbaseとの決着はまだついていないので、規制をめぐる議論はまだ続くでしょう。
まとめ
CoinbaseはSECから、ビットコイン以外の全銘柄の取引停止を要請されていました。
仮想通貨業界のために要請には応じませんでしたが、仮に従うと業界への打撃につながったでしょう。
一方でSECは、こうした強硬的な要請を否定しています。
しかし6月にCoinbaseを提訴して以来、同社を取り締まる姿勢は崩していません。
SECの強硬的な姿勢に対し、今後も議論が続くでしょう。