日本の仮想通貨取引所コインチェックは8日のプレスリリースで、ナスダック上場に向けた進展を明かしました。
親会社のマネックスグループ株式会社が、サンダーブリッジキャピタルパートナーズ IV, Inc(以下THCP)との取引で、コインチェックグループB.V.社のナスダック上場を目指しています。
登録申請書類も公表されており、上場に向けて本格的に動く状況です。
コインチェックの近況について、詳しく解説します。
要点
コインチェックのナスダック上場計画
コインチェックは国内有数の仮想通貨取引所として有名ですが、さらなく飛躍のため、ナスダックへの上場を目指しています。
それにあたり親会社のマネックスグループが、THCPとの事業統合契約を結ぶ見通しです。
THCPはいわゆるSPAC(特別買収目的会社)のひとつです。
今回の計画をめぐり、THCPは7日にSEC(米証券取引委員会)にForm F-4のドラフト版を提出しました。
Form F-4とは株式上場の申請書類の一種で、原則非公開とされます。
事業統合が完了し、ナスダックでの上場が決まれば、コインチェックは「CNCK」の略称で株式売買を受けます。
仮想通貨取引所として、世界中へ存在をアピールできるでしょう。
コインチェックはナスダック上場を見据え、着々とプロセスを進めており、今後の進展が期待される状況です。
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2024年9月までのSPACとの統合を目指す
コインチェックのナスダックへの上場を見据え、マネックスグループがSPACであるTHCPと、事業統合契約に向けた交渉を進めています。
SPACは特別買収目的会社という意味で、自社事業をしていません。
しかし自社の上場後に、特定企業との合併や買収をすれば、相手企業の上場につなげられます。
このときの上場に関する手続きやしくみがDe-SPACです。
マネックスグループは2022年3月に、De-SPACの計画を明かしていました。
2024年の4月から9月の間に、統合完了の予定です。
途中で買収期限の延長もあったようですが、今回のコインチェックのプレスリリースにより、上場に向けた進展がわかっています。
De-SPACによる上場に向け、事業統合の成功がカギになるでしょう。
ナスダック上場に向けた今後のコインチェックの予定
厳密にはコインチェックの持株会社化を予定しているコインチェックグループB.V.が、ナスダックへ上場する予定です。
事業統合後はオランダ拠点の「コインチェックグループN.V.」となり、コインチェック自体はその企業の完全子会社に変わる見通しです。
ナスダック上場に向けては事業統合に限らず、さまざまなプロセスを要します。
SECの認可に加え、THCPの株主の承認や、慣習的取引完了条件の達成などが欠かせません。
コインチェックは8日に登録申請書類を公表しており、今後も上場に向けた準備を進めます。
ただし登録申請書類の公表自体は、ナスダック上場の可能性を高めないとのことです。
いずれにしてもコインチェックは、米国進出に向けて本格的に動き出しました。
まとめ
マネックスグループはTHCPとの統合により、子会社コインチェックのナスダック上場を目指しています。
国内有数の仮想通貨取引所なので、米国進出に期待する方もいるでしょう。
しかし上場にはSECからの承認や、THCPの株主の同意など、さまざまなハードルがあります。
コインチェックは、米国進出に成功できるのでしょうか。