米投資家らが15日に、FTXへ集団訴訟を起こしています。
今回の集団訴訟では広告塔である米大リーグの大谷翔平選手や、プロテニスプレーヤーの大坂なおみ選手も対象です。
有名人の名前まで取りざたされるほど、FTXの問題は深刻を極めています。
FTXの広告塔である有名人が、訴訟対象になった背景を見ていきましょう。
要点
FTXの集団訴訟について
米投資家らがFTXに対して、集団訴訟を提起しています。
前CEOのサム・バンクマン=フリード氏らが訴訟のターゲットです。
損害賠償としての要求総額は約110億ドル(約1.5兆円)とされます。
訴訟は米フロリダ州の連邦地方裁判所で起こされました。
今回の訴訟では、FTXによるフロリダ州の証券投資家保護法などへの違反を指摘しています。
米国法での証券と認められる利回り保証口座の販売などが、違法行為の対象になっているそうです。
彼らによるとFTXの一連の行動が、詐欺的なやり方だといいます。
いずれにしてもFTXは、今回の訴訟で一定の責任を負わされるでしょう。
FTX訴訟でなぜ日本のアスリートも被告対象に?
今回の訴訟の特徴は、日本の有名人も対象に入っていることです。
対象になっているのは米大リーグの大谷翔平選手、プロテニスの大坂なおみ選手などになります。
彼らはFTXで広告塔(アンバサダー)を務めていました。
ほかにはプロバスケットボールのシャキール・オニール選手、NFLのトム・ブレイディ選手など、そうそうたる人物が訴訟相手に選ばれています。
原告側はFTXに関わった有名人たちについて、違法な証券販売促進に関わったと主張しています。
FTXは違法な販売プロセスを展開している以上、それに関わった有名人たちにも責任があるという指摘でしょう。
FTXの経営破綻問題は、宣伝に関わった有名人まで巻き込んでしまいました。
経営破綻企業の広告塔への訴訟は正当なのか?
大谷翔平選手や大坂なおみ選手への訴訟は、日本でも一部メディアに報じられています。
果たして破綻企業が出たとき、その広告塔が訴訟対象になるのは正当なのでしょうか。
Twitterでは以下の口コミが挙げられています。
このように広告塔への訴訟について、反対意見が見られます。
確かに経営破綻まで、FTXの経営を主導していたのはサム・バンクマン=フリード元CEOなどでしょう。
広告塔は企業を宣伝していただけで、経営にまで携わっているとは想像できません。
日本国内でも有名人が広告塔を務めた企業が、詐欺事件で逮捕者を出すトラブルがあります。
しかし有名人までもが責任を問われた事例は見当たりません。
またTerra Research Forumでリサーチャーを務めているFatMan氏も、Twitterで今回の訴訟内容を批判しています。
訳:人々がインフルエンサーについて、FTX宣伝で批判する理由が全くわからない。サム・バンクマン=フリードが規制当局や監査法人をだまして、完璧なイメージを作ったんだろう。単なる広告動画どうやってそれを知るんだ? 預金者をだますような危険なサインは全く見られなかった。ウソじゃないよ。FTXは100%安全ぽく見えただけ
このように国内外で、広告塔への訴訟に対する批判があります。
FTXの訴訟の行方はどうなるのでしょう。
広告塔の有名人を巻き込んでいる以上、目が離せない人も考えられます。
まとめ
FTXが集団訴訟を起こされましたが、その対象には広告塔になった有名人も含まれています。
大谷翔平選手や大坂なおみ選手も、FTXの広告塔だったために、訴訟対象になってしまいました。
しかし広告塔まで訴えるような動きには、批判的な声もあります。
経営破綻までFTXのCEOだったサム・バンクマン=フリード氏などの責任は想定されますが、果たして広告塔までそれを負う事態があるのでしょうか。
FTXの問題は、有名人を巻き込んでしまいました。
事態の推移を、今後も慎重に見る必要があります。