
Coinpostの17日報道によると、経営破綻したFTXがソラナのステーキングを始めました。
 すでにイーサリアムのステーキングもしており、2銘柄の破産資産を運用しています。
 以上によりトークンを一定量増加させ、負債処理に充てる狙いです。
 FTXの近況を見ていきましょう。
要点
ソラナとイーサリアムのステーキングを開始
FTXは破産資産のうち、ソラナとイーサリアムのステーキングを始めました。
 Coinpostは14日のオンチェーンデータを通し、ステーキング代行企業であるFigmentへのソラナの送金を確認しています。
FTXは報道時点で550万(約1億2200万ドル、182億円)以上のソラナをステーキングしました。
 イーサリアムに関しても、2万4000(約3000万ドル、約45億円)以上のイーサリアムを預金中です。
報道時点のFigmentの利率では、FTXはソラナにおいて年率6.79%の運用ができます。
 以上から約800万ドル(約12億円)分の収益を得られる見通しです。
 イーサリアムに関しては年率3.4%で、約100万ドル(約1億5000万円)を得る可能性があります。
 ステーキングによる一定の利益で、FTXは負債処理を進められるのです。
 X(旧Twitter)では、以下の口コミがありました。

 
  
FTXの保有資産売却の見通し

経営破綻したFTXは、負債処理のため保有資産を売らなければなりません。
 売却については、仮想通貨運用企業であるギャラクシーデジタルにまかせています。
 FTXはビットコインやイーサリアム、ソラナなどの流動性銘柄を約34億ドル(約5080億円)持っているようです。
 負債処理には、以上の仮想通貨の処分を要します。
しかしFTXは仮想通貨の売却に関して、制限を受けています。
 大量売却により市場で売圧が生じ、仮想通貨の暴落につながるからです。
 たとえばFTXは、ソラナを約11億6000万ドル(約1730億円)分持っているとされます。
 すべて売るとソラナで売圧が生じ、その影響でほかの銘柄の価格まで暴落するかもしれません。
実際にFTXは保有中の仮想通貨のうち、毎週約1億~2億ドル(約150億~約300億円)分しか売却できない状況です。
 米国の顧客代表である公式委員会や、他国の顧客代表である特別委員会との取り決めで、売却制限を受けています。
 以上からFTXは、ソラナのステーキングを選んでいるのです。
FTXによるステーキングは合理的な行動とされます。
 保有中のソラナのうち、大半は2027年までロックアップされており、取引に使えないからです。
 売却可能になる時期まで、ステーキングをするのでしょう。
 ロックアップ解除の時期には、利息でソラナの数量が増えるからです。
以上からFTXのステーキングは、破産資産の効率的な活用により、着実な負債処理へつながるでしょう。
  
ステーキング以外の残務処理の動向

FTXは仮想通貨のステーキング以外でも、残務処理の準備を進めています。
 たとえば2023年9月には、ブロックチェーンインフラ企業であるLayerZero Labsへ提訴を起こしました。
 FTX破産前のアラメダリサーチと約4500万ドル(約67億円)の取引をしていますが、それを取り消してもらうためです。
ほかにもFTXは広告やスポンサーシップ代金の回収について、裁判所へ書類を提出しました。
 以上の金額は、スポーツ団体やアスリートへ前払いしており、負債処理のために取り戻そうしています。
 このようにFTXは、負債処理に向けてあらゆる手を尽くしているのです。
  
まとめ
経営破綻に見舞われたFTXは、残務処理へ積極的に動いています。
 ソラナやイーサリアムのステーキングにより、資産を増やして負債処理に役立てる狙いです。
 ほかにも取引の撤回や資金回収などで、あらゆる方向へ動いています。
NHKはFTXの負債額について、2022年11月の経営破綻時で最大500億ドル(約7兆円)近くと報じました。
 以上から残務処理には、かなりの時間がかかるでしょう。
 今後FTXは負債を片づけるべく、どのように動くでしょうか。
