ウォールストリートジャーナルの報道によると、2022年11月に破産申請したFTXは、グローバル版取引所の再開を目指し、投資家との協議を始めました。
再開時は特定投資家との共同事業になるかもしれません。
具体的なことは決まっていませんが、FTXはリブランディングや補償の見通しを考えている最中です。
最近のFTXの動向を、詳しく見ていきましょう。
要点
FTXがグローバル版の取引再開へ動き出す
FTXがグローバル版取引所の再開を見据え、投資家との話し合いを始めました。
共同事業として再開する可能性があります。
現時点では協議が報じられたに過ぎず、再開に向けた具体策はわかっていません。
しかし協議結果を含め、今後の動向が注目されます。
将来的な運営再開に向けて、FTXは信頼回復を探っています。
同社は再出発時のリブランディングを検討中です。
さらに既存顧客の一部に対し、新企業体の株式を与える形での補償も検討しています。
必要な補償をカバーしつつ、新しいFTXのイメージを広める狙いです。
FTXは破産申請直前までCEOだったサム・バンクマン=フリード氏のスキャンダルにより、評判が悪化しています。
悪い評判を払拭して事業を再開するために、さまざまな可能性を探す状況です。
Twitterでは以下の口コミがありました。
FTXの破産の経緯
FTXは2022年11月11日に破産申請を明かしました。
その直前には、関連会社のアラメダリサーチの危うい状況が報じられています。
同社は保有資産の大部分をFTXトークンで占めていたのです。
直後にFTXは日本版も含めた各国取引所、アラメダリサーチなど約130の関連会社で破産申請を出しました。
このときは最大約500億ドル(現レートで約7兆円)の負債があったとされます。
FTXの破綻は、仮想通貨業界に不安を与えました。
たとえばレンディング企業が出金のような機能を使えなくなったり、破綻するケースも起きています。
FTXの元CEOであるサム・バンクマン=フリード氏は、同社の破綻後に逮捕されました。
以上の背景もあり、騒動の余波がまだ続いています。
仮想通貨業界を揺るがした以上、FTXの再開は困難を極めるでしょう。
過去にも再開をうかがわせる動向
FTXは投資家との協議以前にも、再開につながりそうな動向がありました。
たとえば4月には、裁判所の公聴会に同社の弁護士が参加し、FTXの再開検討を明かしました。
つまり仮想通貨業界での生き残りを目指します。
同時期には米トライブキャピタルが、FTX再建に対する協力の可能性を示しました。
同社とパートナー企業は、FTX救済に向けて1億ドル(現レートで約144億円)を軸とします。
その状態で資金調達ラウンドを主導し、約2億5000万ドル(同360億円)を目指す計画です。
トライブキャピタルの動向次第で、FTXは救われるかもしれません。
FTXは取引所再開の意思表示をしていますが、実現には協力企業の存在が重要です。
トライブキャピタルが実際に救済へ動くのでしょうか。
まとめ
FTXがグローバル版の稼働再開に向けて、投資家との協議を始めました。
それ以前にも再開の意思を示しており、協力企業の存在も報じられています。
FTXの経営破綻は仮想通貨業界を揺るがしたので、信頼回復は困難を極めるでしょう。
しかし同社は再開に向けて、リブランディングや投資家への補償などを計画中です。
今後FTXの再開プランが受け入れられれば、再び取引ができるでしょう。
しかし実現には、さまざまな問題をクリアしなければなりません。