マルタ島拠点の世界トップクラス仮想通貨取引所「バイナンス」が、11月23日にイーサリアムの先物取引のテスト運用開始を明かしました。
上場実現ならアルトコインで初めて先物取引の本格運用が始まります。発表の詳細を述べます。
要点
世界最大手の仮想通貨取引所であるバイナンスがイーサリアム先物取引のテストを開始。報道の詳細解説を行います。
バイナンスでイーサリアム先物取引テストを開始
2019年11月23日、バイナンスはTwitterで以下の発表を行いました。
以上はツイートの一文目の日本語訳です。最大50倍のレバレッジは国内の仮想通貨取引所でも見られない好条件です。
損失リスクは大きいですが、限られた証拠金でまとまった利益を出すチャンスでもあります。
イーサリアムはビットコイン以外の仮想通貨の総称である「アルトコイン」の一番人気であり、テストを経て正式上場が決まれば、アルトコインで初めての先物取引実現です。
イーサリアムはスマートコントラクトなどの独自システムで、ビットコインよりも決済スピードが速いとされます。
実現ならほかの投資分野の先物取引よりもスムーズな決済が望め、将来性が高く見込めます。
Binance FuturesではAndroid版限定ながら、先物取引アプリ配信も計画中であり、投資者からさらなる関心が集まるでしょう。
ビットコインの先物取引はこれまで有名だった
仮想通貨の先物取引はこれまでビットコインでしか知られていません。
有名なのが今年9月からスタートしたBakktによるビットコイン先物取引です。運営元であるICE(インターコンチネンタル取引所)はニューヨーク証券取引所の親会社でもあり、ビットコイン先物取引は同社の仮想通貨部門として肝いりの事業と考えられます。
11月22日にはビットコインなど多くの仮想通貨が市場で軒並み暴落する中、Bakktのビットコイン先物取引の月間出来高は過去最高記録を更新しました。
12月9日からはICEシンガポール先物取引所に上場予定など、順調な活動ぶりなどで投資者から好評のようです。
今回話題のBinance Futuresでもビットコイン先物は最大125倍のレバレッジを条件に展開済みでした。バイナンスの先物取引部門は、かねてから多くのユーザーより好評で、今回のイーサリアム先物取引が成功ならさらなる好感度アップが見込めそうです。
アメリカの先物取引業界でもイーサリアム歓迎の動き
イーサリアムの先物取引実現は、仮想通貨先進国のひとつとされるアメリカでも大きな注目を受けているようです。
CFTC(アメリカ商品先物取引委員会)のヒース・ターバート委員長は、2020年以内にイーサリアム先物契約上場という予測を発表しています。
発言は、10月21~24日までにワシントンDCのジョージタウン大学で行われたDCフィンテック・ウィーク初日のことです。
ターバート氏は歓談セッション中に、イーサリアムの先物取引について「6-12ヵ月以内には上場するでしょう」と考えを明かしました。
CFTCは、アメリカにおける先物・オプション取引の規制を担う政府機関です。その委員長が歓迎を見せているなら、イーサリアム先物取引への追い風と考えられます。
まとめ
バイナンスはイーサリアム先物取引をテストネットに公開しました。アルトコイン初の先物取引実現を待望するユーザーも多いでしょう。
アメリカでは先物取引の規制委員会のリーダーがイーサリアム先物取引の上場予測を発表していたことから、実現性の高さがうかがわれます。
バイナンスの先物取引部門およびイーサリアムの動向には今後も期待が持てます。