9月24日の暴落以来、ビットコインには下げ止まりの気配がなく、多くのユーザーをやきもきさせたことでしょう。
27日では86~87万円台を主に推移していたビットコインですが、28日の午前5~7時の間にまとまった上昇が見られ、現在は88~89万円を主に推移している状況です。このまま90万円台を取り戻せるのでしょうか。
ビットコインの価格上昇の背景を考察します。
要点
・ビットコインが90万円台まで回復の兆し
9月28日午前、ビットコインの価格が再び上昇を始めています。背景を考察し、このまま90~100万円台まで回復できるかを検証します。
目次
ビットコインは90万円台を取り戻せるか
9月24日から始まった暴落で、2019年度6月以来の100万円割れどころか、90万円も下回ってしまったビットコイン。
しかし今回の価格上昇で90万円台を取り戻す可能性が現実味を帯びてきました。以下が9月28日13時30分までの30分足チャートです。
注目すべきは画像の右側優位にある5本連なった大小の赤いローソク足です。こちらは28日午前5時から午前7時時点のものです。
前日は86~87万円台を主に推移していたところ、28日午前5時の始値86万3945円から上昇を始め、午前7時の終値は89万1475円まで到達しました。
これにより、90万円台までの回復が近づいたことになります。
その後は価格調整の影響か、88~89万円台まで押し合いになっています。しかし今後ビットコインまたは仮想通貨市場にポジティブなニュースがあれば、90万円台、ひいては100万円の再突破も考えられます。
ビットコイン価格上昇の背景を考察
今回のビットコインの価格上昇には複数の理由が考えられます。代表的なものを3つピックアップします。
金融界の重鎮の発言が投資家の背中を押した?
9月26日、ビットコインが暴落に揺れるなか、アメリカ大手ファンドであるモルガンクリーク・キャピタル・マネジメントで代表取締役を務めるマーク・ユスコ氏がCNBCの番組に出演しました。
そこで当時暴落中のビットコインについてアナウンサーから感想を問われた同氏は食いつくように”Buy it.”(買いだね)と発言しました。
その言葉どおりか28日午前にはビットコインの価格が上昇しています。
ユスコ氏は7月にもビットコインが3万ドルに達すると発言し、CNBCの番組公式Twitterがその内容をツイートしました。3万ドルは日本円で300万円以上に相当します。
Bitcoin bull @MarkYusko says the cryptocurrency could hit $30,000 before the next major pullback pic.twitter.com/JHPY4cc59x
— CNBC's Fast Money (@CNBCFastMoney) July 8, 2019
ビットコインを熱烈に推す金融界の重鎮の発言が、仮想通貨ユーザーたちを勇気づけ、買い注文殺到につながった可能性が考えられます。
ハッシュレートが過去最高を更新した
ビットコインのハッシュレートは、24日から始まった価格暴落とともに下がったものの、急回復した結果、26日に過去最高を更新しました。以下がビットコインのハッシュレートを示したグラフです。
ハッシュレートはマイニング作業における計算処理のしやすさを測る指標です。26日にハッシュレートは1億846万4285という過去最高数値となり、ビットコイン市場最もマイニングしやすい状況になりました。
マイニングはビットコインの取引を正当と認める作業です。マイニングされやすい状況に仮想通貨ユーザーが反応し、ビットコインの買い注文が殺到したことも考えられます。
ライトニングネットワークのノード数が1万超え
ビットコインへの実装が期待されるライトニングネットワークのノード数が1万の大台に達したことも明らかになっています。
ライトニングネットワークとはビットコインなど仮想通貨の決済スピードを速めるための特殊技術です。
実装されることにより、本来送金から決済完了まで10分程度かかるとされるビットコインがさらにスピーディに動くと考えられています。
ライトニングネットワークへの関心が高まったことも、仮想通貨ユーザーがビットコインを買いたいという意思につながったと考えられます。
まとめ
9月24日から始まったビットコインの暴落で仮想通貨市場が揺れる展開になりましたが、9月28日に一定の価格回復を見せています。
経済界の重鎮の発言、ハッシュレートやライトニングネットワークの数字が更新されたことなど、ビットコインに関するポジティブなニュースが重なった結果、価格回復が実現したと考えられます。
今後ビットコインが上昇トレンドに転じて90万円、100万円と価格を取り戻していくかが注目されます。