ビットコインによる給与支払いが現実的に
国の法定通貨としてビットコインの採用が可決されたエルサルバドルですが、
国内での流通を活性化させるために労働社会福祉大臣である、
ロランド・カストロ氏は国内の企業がビットコインで、
従業員に給与支払するべきかどうかを政府内で話し合っていることを明らかにした。
「ビットコインが承認された後企業が仮想通貨を通じて、
雇用者に給与を支払わなければならないかどうかが分析されている。」
この先エルサルバドルでは約90日後の法制化を受けて、
正式に利用可能な状態になりますが、
これまで利用されていた米ドルやコロンといった法定通貨は、
引き続き利用可能だといいます。
しかし自国の通貨である「コロン」に関しては、
2001年頃までは活発に流通していたようですが、
現在では殆ど利用されていない状態のようで、
基軸通貨は実質米ドルが利用されているようです。
ナイブ・ブケレ大統領が提案した案では下記の2つの、
活用用途を見越しておりビットコインが生活シーンの、
あらゆる場面に使われることになるでしょう。
- 税負担をビットコインで支払うことができる
- 会計上では、米ドルを基準通貨として使用する
法定通貨としての不確実性
エルサルバドル内で盛り上がりを見せる、
ビットコインですが不安定な仮想通貨を法定通貨として、
実生活に利用することに不安を覚える人はまだ多く存在します。
そもそもエルサルバドルが自国通貨であるコロンを放棄して、
米ドルを担ぐことになったキッカケとして、
1980年から1992年まで行われた内戦が原因しているようです。
政府軍はアメリカからの支援を受けて内戦を収めた経緯もあり、
自国の不安定な通貨を手放し米ドルを主に活用することになりました。
これにより為替レートの変動に関係なく貿易事業を行うことが可能になり、
物価と通貨は安定しましたが金融政策の自立を諦めざるを得なくなったのです。
このような経緯で自国による金融政策を手放してまで、
手に入れた物価と通貨の安定性をビットコインを入れることで、
壊してしまう可能性があると多くの専門家が反対しているのです。
ビットコインは世界的に見てもまだまだ投機的な部分で、
取引されるケースが多いのでこれらの側面をクリアしないことには、
国民から受け入れてもらうには少し時間がかかるかもしれません。
今回の記事のまとめ
- ビットコインによる給与支払いが現実的に
・国内でビットコインを企業の給与支払いに活用する案を検討中
・今後は税金をビットコインで支払い可能にする予定
・自国通貨である「コロン」は殆ど利用されていない
- 法定通貨としての不確実性
・ビットコインを法定通貨として使うことへのリスクが指摘される
・ビットコインは投機的な側面が強くこれまでの経済ルールが崩壊する危険性がある
これら一連のポジティブな報道を受けてビットコインは、
2週間ぶりに4万ドルライン(440万前後)に返り咲きましたが、
価格変動の大きい仮想通貨市場において油断は禁物です。
今後も注意深く市場動向をキャッチアップしていきましょう。