2月11日、中国広東省広州市と深セン市の政府が、緊急時に個人資産を没収できるよう立法しました。
もしこの制度が現実化すれば、個人の資産は全て実質的に政府に管理されるようになってしまいます。
そんな事態を回避する為に、中国人がビットコインを避難先の投資対象にするのではないかと噂になっています。
中国が個人資産を没収する制度を立法
周知の通り、現在はコロナウイルスの拡大によって物資の流通が止まり、経済に深刻な影響を与えております。
この重大な事態を理由に、広州市と深セン市の政府が個人の資産を没収できるようにするという、とんでもない制度を立法しました。
この制度が現実化すれば、中国政府は法的な手続きを取らずに、個人の資産を強制的に没収することができます。
没収できる資産については土地も含まれている為、政府にとって都合が悪いところに土地を持っている人はかなり危機的な状況に陥るのではないでしょうか。
中国は国が第一と考えられるような法案を通す傾向にあります。
国が栄える為の論理的な方法ではありますが、そのツケは全て国民に回ってくることは間違いありません。
今回も、コロナウイルスの影響で国全体がとても危機的な状況にあるので、法案が通る可能性もゼロではないでしょう。
ビットコインの需要が高まる可能性
緊急時に個人資産を没収する制度の立法により、中国人は個人資産をどう守るか考えるようになるでしょう。
特に個人資産が没収されない避難場所や投資先を探すようになります。
その時に候補として挙がるのがビットコインです。
ビットコインは中央管理者が存在しない通貨なので、政府の管理下に置かれることはありません。
預金封鎖やモラトリアム、資産の収用などに対抗することができます。
つまり、他の資産と違って、格段に没収されにくい資産と言えるのです。
過去にも預金封鎖でビットコインの価格が上がった
2013年にキプロスで預金封鎖が起こりました。
キプロスは地中海東部にある島国ですが、ギリシャ国債を用いて運用を行っていた影響で、ギリシャ危機によって大きな痛手を負いました。
この件でキプロスの銀行は政府でも救済しようがないほどの赤字を出してしまった為、結果的に国民の預金を封鎖せざるを得ない状況に陥りました。
国民は銀行に行っても、資産を引き出すことができない状態になったので、危機感を抱いた富裕層がこぞってビットコインを避難先の投資対象にし始めたのです。
キプロスの預金封鎖は3月16日に実施されましたが、この日を境にビットコインは暴騰を起こしました。
1BTC4,000円から25,000円まで価格を伸ばしたので、1ヶ月の間に約400%という驚異的な上昇率になりました。
これはビットコイン初期頃における最も価格が変動したイベントと言っても過言ではありません。
キプロスという小さな国ですら、預金封鎖が起こればビットコインの価格を6倍まで押し上げるのです。
今回の場合は預金封鎖ではなく資産の没収ですが、影響力1位の中国でそんなことが起これば間違いなくビットコインの価格にも影響を及ぼしてくるでしょう。
今後の動向に注目
緊急時に個人資産を没収する制度は、まだ立法された段階なので実施には至っていません。
あまりにも国民への負担が大きい制度なので、そう簡単に通ることはないでしょう。
しかし、中国がコロナウイルスで前代未聞の危機を迎えようとしているのは間違いありません。
この状況を打破するにはとてつもない資金が必要になってくるでしょう。
そうなると、今回のとんでもない法案も、もしかしたら現実となる可能性も十分あります。
現実になった場合は確実にビットコインの需要が増すことになるので、中国政府の動向には今後も注目しておかなければなりません。