【要点】
・発表されたレポートには、ビットコインが「21世紀のデジタルゴールド」になる可能性について触れています。
・さらに、レポートではデジタル通貨と法定通貨の共存についても触れています。
ドイツ銀行のアナリストが仮想通貨の未来を発表
ドイツ銀行のアナリスト兼シニアエコノミストが、デジタル通貨とそのグローバルな支払いの未来を形作る可能性をカバーする調査ベースのインタビューを発表しました。
インタビューを発表したのはMarion Laboure(マリオン・ラボーレ)氏という人物です。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)とイーサリアム(Ethereum/ETH)が、支払い方法としてすでに一般消費市場にて使用されています。
このビットコインは、取引時間が長い、取引手数料が高い、ボラティリティが高いという3点を理由に、現在でもまだそれほど一般的ではないとラボーレ氏は述べています。
たとえば…、ビットコインはトランザクションの検証に現在も約10分程度かかります。
他にも、トランザクション(※送金手数料)手数料として、約20ドル(約2,200円)支払わなければなりません。
さらに、政府による価値保護を目的と下支援を受けていないため、支払い手段としてデジタル通貨を受け入れる義務もありません。
仮想通貨と金融の未来
ラボーレ氏は、ビットコインが21世紀のデジタルゴールドになる可能性があると考えています。
仮想通貨の高価値と限られた在庫は、JPモルガン(JPMorgan Chase & Co.)が共有する認識、「インフレ」に対する人気のあるヘッジ(※資産の損失回避先)と考えられています。
インフレヘッジと言われているものの、これらは3つの理由で将来的に慈悲深いものになるとみられています。
その理由に、ビットコインの約66%が投機と投資に使用されている点が挙げられています。
さらに、ビットコインの「取引可能性」は限られており、需要と供給の方程式は時折、大規模購入や市場の閉鎖の影響を受けないことも大きな要因の一つと考えられています。
このビットコイン価格は、投資家や仮想通貨愛好家の感情やアプローチにも大きく影響されています。
一方でラボーレ氏は、DeFi(分散型金融)およびNFT(非代替性トークン)プラットフォームで広く使用されており、イーサリアムをデジタルシルバーと考えています。
ただし、ポルカドット(Polkadot/DOT)、ソラナ(Solana/SOL)、バイナンスコイン(Binance Coin/BNB)、カルダノ(Cardano/ADA)といった仮想通貨は、イーサリアムに“お金のための実行”を与える可能性があると同氏は考えています。
規制がない=デジタル通貨にとってのデメリット
規制がないことは、デジタル通貨にとって大きなデメリットであるとラボーレ氏は指摘しています。
これは、仮想通貨への冒険が有益であるように見えても、多くの投資家を落胆させています。
これに関して、ドイツ銀行の同氏は、多くの国が2022年までに強力な仮想通貨規制の枠組みを植え付けると予想しています。
さらにラボーレ氏は、仮想通貨マイニングの膨大な二酸化炭素排出量が深刻な環境問題を引き起こしていると指摘しています。
しかし、環境にやさしいマイニング目的の最新技術開発は有望であると述べています。
同氏は、仮想通貨、中央銀行によって発行されるデジタル通貨(CBDC)、現金(法定通貨)が、一方が他方を置き換えることなく共存することを確信しています。
米国政府は過去3年間、デジタル決済の採用を推進してきました。
最近、カタールやエルサルバドルなどの国々で、国内および国際送金を行うためにデジタル通貨を使用する方法を作り上げていることも注目に値します。
CBDCと仮想通貨の使用が急増するにつれて、現金の使用は減少する可能性があると同氏は述べています。
コロナパンデミックにより、現在多くの人々が世界中で他者との接触を減らしたいという思いから、現金の直接的なやり取りは激減し、現金そのものを扱う人も減っています。
インドでは現在、仮想通貨規制の枠組みを施行する過程にあります。
また、隣国のブータンと同様に、CBDCのパイロットプロジェクトを間もなく開始する予定です。