10月8~11日に大阪で「Devcon5」が開催されました。日本では初開催となったイーサリアム開発者向けの最大級のイベントですが、そこで発表された内容が充実しており話題になっています。
Devcon5で発表された内容を本記事でまとめました。
要点
イーサリアム開発者向け最大イベント「Devcon5」での特筆すべき発表内容や出来事をまとめています。
目次
Devcon5で何が起きた?
Devcon5ではイーサリアムの開発者の一人であるヴィタリック・ブテリン氏がスピーチを行うなど、イーサリアムファンであれば興味を引かれる話題が多数提供されました。代表的なものを4つ挙げます。
ブテリン氏がイーサリアムの将来性を語る
ヴィタリック・ブテリン氏は9日にDevcon5のステージに上がり、イーサリアムの将来性を語りました。
ブテリン氏はイーサリアムに使われているブロックチェーンが、ビットコインでも使われているPoW(プルーフ・オブ・ワーク)からPoS(プルーフ・オブ・ステークス)に切り替わることで、安全性や取引スピードが向上する可能性を強調していました。
PoWではマイナーがデータ計算処理で取引承認するのに対し、PoSではバリデーターがそれに相当する役割を果たします。
バリデーターは一定のイーサリアムを預ける必要があることから、ビットコインのPoWよりも不正を防止しやすいうえ、スケーラビリティ問題と呼ばれる取引完了まで時間がかかる現象も解決しやすくなると考えられています。
ユニセフが仮想通貨基金を新設
ユニセフは世界の恵まれない子供たちに資金や人道支援を行う組織として有名です。そのユニセフが仮想通貨に関心を示したことは大きなニュースでしょう。
Devcon5では9日に「UNICEF Cryptocurrency Fund」という仮想通貨による寄付の受け入れ先ができたことが発表され、イーサリアム財団が最初の寄付者になったことも語られました。
ユニセフの仮想通貨基金はイーサリアムだけでなく、ビットコインでの寄付も可能です。寄付された分は法定通貨に変えられないまま管理され、支援資金に使われるとのことです。
世界的なボランティア団体の新しいチャレンジに大きな期待が持たれます。
報酬プログラム開発、マイクロソフトとインテルからのサポートも
Devcon5では、イーサリアム企業連合が新たな報酬プログラムを開発することも発表されました。今回のプログラムではマイクロソフトとインテルという、二つの世界的テクノロジー企業からの支援もあるとのことです。
報酬は、特定のブロックチェーンの開発または利用により確定します。開発を進めたり、使用回数が多くなったりするほど報酬も高くもらえる仕組みです。
仮想通貨で成功するのはビットコインとイーサリアムだけ?
10日にはイーサリアム関連技術開発事業「コンセンシス」の創設者であるジョセフ・ルーピン氏が登壇。
仮想通貨として成功するのはビットコインとイーサリアムだけという見解を示しました。
Medium.comのレポートによるとルーピン氏は成功する仮想通貨のポイントとして以下の4つを挙げています。
2.コミュニティは常に活動中で、活気があって、何度も成長を重ねていなければならない。その状態になる一つの方法はトークンがコミュニティに管理されていて、価値上昇につなげることだ。ちなみに、コミュニティは最高かつ気鋭のある開発者や起業者を引きつけなければならない。それも大多数である。
3.プロジェクトは、発行、維持、継続的改善のため充分な資金を用意できなければならない。
4.最後に忘れていけないのは、プロジェクトはルールに忠実でなければならないことである。
ルーピン氏によると、仮想通貨には平等性、成長性、資本力、法令順守が大切であり、数ある仮想通貨のなかで以上の条件を満たしているのはビットコインとイーサリアムだけとのことです。
同氏は2020年にはイーサリアム開発者を100万人にするというビジョンも語っており、今後の動向が注目されます。
まとめ
イーサリアム開発者向け最大のイベント「Devcon5」は10月8~11日に開催され、大盛況のうちに幕を閉じました。
ブテリン氏が語ったイーサリアムの将来性をはじめ、同通貨における様々な発表があり、イーサリアムにますます興味を持った人も多いことでしょう。
現在の仮想通貨市場はビットコインの一人勝ちのようなイメージが強いですが、イーサリアムの今後の成長も仮想通貨業界を盛り上げるポイントと考えられます。