5月29日以降の週では、イーサリアムとリップルがともに乱高下に入りました。
米国でのデフォルト(債務不履行)懸念の影響が考えられます。
同国の政府は回避の見通しを立てていますが、先行きがわからない状況は変わらないため、投資家心理が揺れ動いているようです。
今後の経済ニュース次第で、次のトレンドが決まるでしょう。
最近のイーサリアムとリップルの値動きを解説します。
要点
【5月29日~】イーサリアムの値動き
まずはイーサリアムの値動きを見ていきましょう。
GMOコイン販売所の日足チャートによる検証です。
イーサリアムはレンジ相場に入り、日によっては値動きがやや大きい印象です。
まずは5月29日の始値が25万4174円でしたが、30日の終値は25万9576円まで伸びました。
この間の上げ幅は2.1%です。
しかし31日から6月1日にかけて値下がりが集中しました。
5月31日の始値は25万9577円でしたが、6月1日の終値は25万3074円で、週の初めである5月29日の始値をわずかに下回っています。
6月2日になると始値25万3074円に対し、終値が26万0030円まで伸びました。
このようにイーサリアムは、価格がやや乱高下しています。
今後のニュース次第で、さらに大きく値が動くかもしれません。
【5月29日~】リップルの値動き
続いてリップルの値動きを見ていきましょう。
こちらもGMOコイン販売所の日足チャートによる検証です。
週の初めの5月29日から価格水準を上げましたが、そのあとはレンジ相場で、値幅の大きい日も見られます。
29日の始値は65.505円でしたが、30日は価格が大きく伸び、終値が71.355円になりました。
この間の上昇率は約8.9%です。
同時期のイーサリアムでも見られない伸び方でした。
その後の2日間は、反動と見られる下落が続きました。
5月31日の始値が71.355円に対し、6月1日の終値は68.815円まで落ちています。
しかし2日に再び価格を伸ばし、始値が68.816円に対し、終値が71.677円になりました。
価格の乱高下が目立っていますが、直近は70円前後の攻防です。
米国でのデフォルト懸念をめぐり投資家心理が揺らいだか
イーサリアムとリップルの不安定な値動きは、米国でのデフォルト懸念の影響でしょう。
ジョー・バイデン大統領はケビン・マッカーシー下院議長と、5月27日に連邦政府の債務上限を引き上げる法案について合意しました。
その結果イーサリアムとリップルでは、30日まで買い注文が集まっています。
デフォルト回避の見通しがついたことで、投資家心理が一時的に安心したようです。
しかしそのあとの値動きは、イーサリアムとリップルともに安定しませんでした。
6月5日が、米国デフォルトのXデーになる可能性があったからです。
投資家心理にも、5日の非常事態への懸念が残っていたのでしょう。
実際は5月31日に、米下院で財政責任法案が可決されました。
法案では債務上限適用が、2025年1月1日まで停止されます。
つまり2024年半ばまでは、デフォルトの懸念が市場に現れる可能性が低くなりました。
新しい法案で投資家が安心した結果、6月2日はイーサリアムとリップルがともに価格を上げました。
このようにデフォルト回避をめぐる動向が、仮想通貨市場にも反映されています。
まとめ
イーサリアムとリップルは、最近乱高下が続いています。
米国でのデフォルトの可能性をめぐり、投資家心理が揺らいだからでしょう。
しかし同国ではデフォルト回避の見通しが立ち始め、仮想通貨市場にもポジティブな動向が現れています。
前向きな経済ニュースがもうひとつあれば、各アルトコインでさらなる上昇が見られそうです。
米国政府とともに、今後のイーサリアムとリップルの動向を注視してください。