先週の主要アルトコイン市場を解説します。
イーサリアムはデッドクロスが近づいていましたが、先週は価格水準を持ち直しています。
一方デッドクロス後のリップルは一進一退です。
イーサリアムに関しては、SEC(米証券取引委員会)によるクラーケンへの訴訟で、SECの主張する有価証券に含まれませんでした。
そのため、他の仮想通貨の資産逃避先に選ばれた可能性があります。
イーサリアムとリップルの近況を見ていきましょう。
要点
先週のイーサリアム市場
まずは先週のイーサリアム市場を見ていきましょう。
GMOコイン販売所の日足チャートによる検証です。
先週のイーサリアムは、価格水準を持ち直しました。
22日の上昇幅が大きく、勢いを取り戻した印象です。
先々週は14日から17日にかけての下落率が大きく、デッドクロスの可能性もありました。
しかし押し目買いの殺到により、価格水準が再び上がっています。
22日の始値は28万8355円でしたが、終値は30万2804円まで上がりました。
この日だけで約5%の上昇率です。
今週に入り、27日におけるやや大きな下げ幅が気になります。
27日の動向を見た投資家が、一斉に売り注文へ動き、下落トレンドが本格化するかもしれません。
今後の価格の推移を注意深く見守ってください。
先週のリップル市場
続いて先週のリップル市場です。
こちらもGMOコイン販売所の日足チャートで見ていきましょう。
先週のリップルは、全体的にレンジ相場です。
まず20日と21日に下落が続きました。
20日の始値は90.960円でしたが、21日の終値が86.779円まで下がっており、この間の下落率は約4.6%です。
14日の大幅な下落で、リップルは100円から遠ざかりました。
そこから1週間が経過し、今度は90円を下回っています。
22日から24日は、3日連続で陽線でした。
22日の始値は86.776円で、24日の終値は90.544円です。
3日間で約4.3%の上昇率で、再び90円を超えました。
今週の初めである27日は下落率がやや大きく、再び90円を下回りそうです。
リップルは18日のデッドクロス後も、一進一退を続けていました。
しかし27日の下落で、投資家心理がネガティブになれば、下落トレンドが本格化するかもしれません。
SECのクラーケンへの訴訟でイーサリアムが資産逃避先になったか
先週イーサリアムが価格を持ち直したのは、20日のSECによるクラーケンへの訴訟が要因でしょう。
訴状でSECはクラーケンに対し、正式な証券取引所やブローカーとして未登録であり、さらに顧客資産の分別管理を適切にしていないと主張しています。
さらにクラーケンが扱う16種類の通貨を、証券と指摘しました。
このなかにはカルダノ(ADA)やポリゴン(MATIC)、ソラナ(SOL)など人気通貨が含まれます。
一方イーサリアムは、SECの主張でいう有価証券に含まれていません。
訴訟後の22日に、同銘柄は価格を上昇させています。
SECの標的である通貨から、イーサリアムへの資産逃避が起きたのでしょう。
SECの動向次第で、本来は多くの仮想通貨が影響を受けます。
しかし今回は、イーサリアムが資産逃避先として機能し、価格上昇へつながったのでしょう。
まとめ
先週のイーサリアムは価格を持ち直し、リップルは一進一退が続いています。
SECによるクラーケンへの提訴がありましたが、その主張ではイーサリアムが有価証券に含まれませんでした。
そのため他の銘柄から、イーサリアムへの資産逃避が起きたと考えられます。
しかし今週の初めである27日は、イーサリアムとリップルがともにやや大きな下落を迎えそうです。
投資家心理の変化で、主要アルトコイン市場が冷え込むかもしれません。
これからの価格推移を慎重に見守りつつ、買いや売りのタイミングを決めてください。