G20(主要20カ国)によるFSB(金融安定理事会)は、DeFi(分散型金融)のリスクに関するレポートを明かしました。
レポートではDeFiの脆弱性への対応指針も示しています。
DeFiもデジタルシステムである以上、どのようなトラブルが起きるかわかりません。
世界の仮想通貨やそのユーザーのためにも、G20が対策を明確化する狙いです。
G20のDeFiリスク対策について、詳細を見ていきましょう。
要点
G20が挙げたDeFiのリスクとは?
G20は、DeFiの性質が従来型金融と大きく違わないとしています。
そのうえで従来型金融のリスクの継承と、その増幅の可能性を指摘しました。
実際にDeFiも金融機関であり、なおかつデジタルシステムである以上、いつ実害を起こすかわかりません。
FSBが挙げた具体的なリスクとして、ガバナンスの不透明、信頼性の低いブロックチェーンへの依存などが当てはまります。
たとえば2022年に経営破綻したFTXは、信頼性が高くないとされるFTTトークンで資産運用をしていました。
このように運営上の欠陥がその企業だけでなく、仮想通貨ユーザーに影響をもたらすかもしれません。
FSBはDeFiにもその可能性があるとして、対策の重要性を訴えているのでしょう。
G20のFSBによるDeFiの脆弱性指摘や、そのリスク対応指針について、Twitterでは以下の口コミがありました。
DeFiの流動性リスクについて
FSBのレポートは、DeFiの流動性リスクを詳細に指摘しています。
とくにステーブルコインやレンディングプロトコルでのリスク増幅が語られています。
たとえばFSBはDeFiトークンについて、法定通貨代わりになる可能性を指摘しました。
この状況はマクロ経済状況のもろい国で起きやすいといいます。
FSBはレポートで具体的な銘柄を示しませんでしたが、実際に米ドル建てステーブルコインなどで、法定通貨への代用が実現するかもしれません。
またFSBはDeFiについて、ユーザーが預けたお金を、事業者がほかのローンの担保として使う可能性も挙げています。
事業者から見ると、借りたお金で別の借金を返す担保連鎖になります。
以上のような自転車操業状態だと、ユーザーは企業を信用しなくなるでしょう。
FSBもレポートで、こうした脆弱な運営がもたらすリスクを指摘しています。
2022年はテラやFTXなどの問題により、仮想通貨の信頼性が問われました。
以上からFSBは、DeFiの流動性リスクに対し、とくに警戒しているようです。
FSBのDeFiリスク対策
FSBは以上のリスク背景を受け、DeFiトラブルの対策指針を挙げました。
以下の3つに分かれています。
・DeFiや仮想通貨、従来型金融機システムの相互関連性をチェックするためのデータ強化
・仮想通貨活動に対する国際的規制政策の強度検討
たとえば脆弱性分析では、実物資産のトークン化に対する調査も含んでいます。
仮想通貨と実体経済の連携が強まる可能性から、このようなスタンスを取っているのでしょう。
実際に不動産や貴金属をもとにしたトークンで、信頼性をめぐるトラブルが起きるかもしれません。
FSBはここも考えつつ、対策を必要としているのでしょう。
またFSBはチェックデータ強化について、既存データの共有拡大、情報収集手段の追加活用も検討中です。
政策提言については一例として、従来型金融機関がDeFiに与える経済的影響への規制が必要と指摘しました。
ここではDeFi関連企業との取引や、カストディ提供などが例です。
FSBの対策提案は、DeFi破綻による仮想通貨ユーザーへの被害を防ぐためでしょう。
まとめ
G20のFSBは、DeFiに対する抜本的対策を訴えています。
不健全な運営によってDeFiが崩壊し、利用者が被害を受けるのを防ぐためでしょう。
近年DeFiの話題性が高まっているなか、具体的な対策によってトラブルを最小限にとどめようとしています。
以上からFSBはDeFiについてエコシステムの脆弱性分析、従来型金融システムとの関連への規制などを提案しています。
これからFSBの主導で、DeFi規制が明らかになっていくでしょう。
今後の動向に注目です。