要点
・DChatは設定方法により、政府はドメイン側にユーザーに関する機密情報の引き渡しを強制することはできません。
Unstoppable Domainsから新チャットサービス開始
(動画引用先 Unstoppable Domains「Unstoppable Chat Overview」
※画面右下のアイコンから字幕→設定→自動翻訳で日本語訳が表示されます
Unstoppable Domains https://unstoppabledomains.com/ から、ユーザー制御が可能なブロックチェーンベースのピアツーピアチャットアプリのDChatが誕生しました。
Unstoppable Chat 💬
Messages are stored on p2p storage and are encrypted. You control them, not us. Message directly from one domain to another domain.
Chat With:
- @AlexMasmej.crypto
- @hashoshi4.crypto
- @funontheride.cryptoStart chatting today ➡️ https://t.co/6bRozjC0Hb pic.twitter.com/u9Ei4mljFh
— Unstoppable Domains (@unstoppableweb) July 7, 2020
https://platform.twitter.com/widgets.js
プライベートなメッセンジャーやチャットが政府機関などの第三者に見られたくない、そのように考えている人も多い中、覗き見を防止するさまざまなピアツーピアおよび分散型チャットアプリに参加するのがDChatです。
6月7日にリリースされた分散型メッセンジャープロトコル採用のリコンバレーのDChatは、分散ドメインレジストラー、Unstoppable Domainsによって構築されました。
DChatでは、すべてのチャット情報はユーザーのデバイスに保持され、ウェブブラウザー内でアプリを実行するためのP2PデータベースであるGUNプロトコル全体に配信されます。
サービスにアクセスするには秘密鍵が必要なため、Ethereumブロックチェーンにすべてリンクされています。
中央サーバーに保存されていないため、ドメインにユーザーに関する情報を開示させることはできません。
EARN IT法対抗サービスとして登場したDChat
DChatで採用された機能については、EARN IT法によってプライバシー擁護者に課せられる懸念に対処した機能と言われています。
EARN IT法とは、暗号解読バックドア法案と呼ばれているもので、オンラインを介した児童の性的搾取と戦うことを意図している法案ですが、万が一この法案が可決された場合、現在の暗号化へ多きな打撃を与える可能性があります。
Stanford Center for Internet and Societyの、監視兼サイバーセキュリティ担当アソシエイトディレクターのリアナ・フェファーコーン(Riana Pfefferkorn)氏は、この法案について、最も深刻な欠陥を、実際には絶対に禁止できないエンドツーエンドの暗号化を、禁止するための方法と表現している。
その理由として、法案の一部にプライバシー企業は政府にエンドツーエンドの暗号化ソフトウエアへのバックドアを提供することを強制するよう、法案に盛り込まれている点です。
EFF(Electronic Frontier Foundation:電子フロンティア財団)は、この法律が可決された場合、「インターネットユーザーの言論と安全の自由のための災害」になると述べています。
DChatはどのように機能するのか
EARN IT法を回避するDChatは、Mozillaの「Fix the Internet」インキュベーターで3カ月にわたる開発されました。
DChatは、ドメイン名と同様の技術に依存しており、メッセージはP2Pストレージに保存され、暗号化されたうえで、ドメインから別のドメインへの直接メッセージが送れます。
P2Pネットワークによってホストされた分散型Webサイトにつながっており、ドメイン名はチャットアプリで使用するユーザー名になるという。
DChat側は、チャットとユーザー名(=ドメイン名)を処理することで、一般的なチャットサービスのような受信トレイやメッセージの削除およびドメインの使用中止などはできない仕組みになっています。
ユーザーがドメイン名を購入すると、チャットサービスは無料になり、ダイレクトメッセージングアプリがサポートできるユーザー数に制限がなくなります。
音声通話のサポート機能の追加を検討する予定で、追加された場合、DChatは、エンドツーエンドの暗号化されたビデオ通話サービスをすでに構築しているBraveなどの企業に匹敵するとメディアでも報じられています。