21日に起こった歴史的な原油の大暴落によって、株やビットコインの価格もつられて暴落することになりました。
原油の大暴落は、アメリカのシェール企業やそれらに関連する企業を倒産させる原因になると言われており、コロナの影響も含めて、連鎖的な倒産ラッシュが起こるのではないかと言われています。
そのような懸念から、株やビットコインも連動して価格を下げているようです。
史上初の原油価格マイナスに
コロナの影響によって、3月頃から急激に価格を落とし始めた原油先物が、遂に21日に0円を突破してマイナス圏に突入しました。
原油価格がマイナスになるのは史上初と言われており、その壮絶さは計り知れません。
この影響で、ビットコインや株の価格も連動して暴落することになりました。
何故原油価格がマイナスになるのか
原油価格がマイナスってどういうこと?なぜそんなことが起こるの?と思っている方は多いかと思います。
その理由は、原油の受け渡しシステムにありました。
原油の先物取引は、毎月期日が来たら現物を受け渡す取引です。
要は、期限付きの原油引換券のようなものですね。
通常ならば、原油の需要があるおかげで、期限が来たら全ての原油を捌くことができます。
しかし、今回はコロナの影響で飛行機や工場などの原油を消費する事業が止まっているせいで、原油が有り余ることになりました。
原油の採掘は実質的に止めることができないので、需要が無くても毎日どんどん湧き上がってきます。
ですが、原油の保管場所には限りがある為、有り余った原油は高額な保管料や輸送費を払って誰かが引き取らなければなりません。
そんな役回りをしたくない人たちは、何が何でも原油の引換券を手放さなくてはなりません。
しかし、既に現在の状況は知れ渡っている影響で、誰も原油を買いたがらないので、お金を払ってまで手放したい人が現れるという現象が発生するのです。
連鎖的な倒産の懸念でビットコインが暴落か
原油の価格が下がることは、一般市民からするとガソリン価格が下がったりするので喜ばしいことに思えます。
ですが、経済的に見ると、なかなか厳しい局面に立たされていることが分かります。
というのも、原油が暴落すると一番困るのは、シェール企業を沢山抱えているアメリカです。
原油がただ同然で手に入るようになると、シェール油の需要は激減する為、次々と倒産してしまうことになります。
シェール企業は非常に影響力が強い為、もしシェール企業が倒産してしまうと、リーマンショックの時のように連鎖的な企業の倒産が発生すると言われています。
今はコロナの影響で既に経済は壊滅的なダメージを受けている為、そこに追い打ちをかけるように倒産ラッシュがやってくると、世界の経済は悲惨なことになるでしょう。
そのような懸念から、株やビットコインを売る動きが活発になってきたのではないかと考えられています。
ロスカットによる影響も
ビットコインの価格が暴落した原因として、個人のロスカットが多発したからではないかとも言われています。
先月に原油価格が20ドルをタッチした際から、SNS上で原油の価格が安すぎると話題になっており、数多くの個人投資家が原油の逆張りを狙っていました。
そして、20日~21日に掛けての歴史的な原油の暴落によって、たくさんの投資家が次々とロングポジションをとったのです。
今まで50ドル以上で取引されていたものが、たった数ドルになってしまったら買い時だと感じてしまうのは無理もありません。
また、この時点では原油価格がマイナスになるというシステムはそこまで周知されていなかった為、1ドル~3ドル付近で購入すればリスク無く勝負できると大半の方は考えていました。
その為、今回の原油のマイナス価格によって、相当数の個人がロスカットに遭ったと見られており、その損失の穴埋めとしてビットコインが売られているのではないかと話題になっています。