米SEC(証券取引委員会)による法的措置が相次いでいます。
ここ2週間だけでも仮想通貨取引所のコインベースへの警告、トロン創設者や取引所Beaxyらへの提訴などがわかりました。
またゲーリー・ゲンスラー委員長は仮想通貨規制について、議会で見解を示しています。
SECによる法的措置と、仮想通貨規制をめぐる考えを見ていきましょう。
要点
米SECからの法的措置が相次ぐ
最近の米国では、SECからの法的措置が相次いでいます。
3月後半だけでも、以下の機関がターゲットになりました。
・22日、コインベースへのウェルズ通知送付が判明
・22日、トロン創設者のジャスティン・サン氏らを提訴
・29日、仮想通取引所Beaxyやその幹部を提訴
SECは短期間で、これだけの訴訟を起こしています。
たとえばSushiはSECからの召喚状を受け、公式フォーラム上で法的弁護基金創設を提案しました。
この件ではSECの提訴理由が分かっていません。
しかしSushiトークンが価格急落を迎えるなど、市場への影響もあります。
コインベースの件では上場通貨やステーキングサービス「Coinbase Earn」などが問題視されました。
しかし取引所側は、自社サービスの合法性を強調しており、裁判になればSECと争う構えです。
コインベースは米国でも大手なので、SECへの敗訴が決まれば業界への影響が懸念されます。
トロン創設者に対しては、未登録証券の提供や販売が理由です。
さらにSECは、ウォッシュトレードの可能性も指摘しています。
加えて未登録証券の宣伝をしたとして、女優のリンジー・ローハン氏やYouTuberのジェイク・ポール氏など8名の著名人も提訴しました。
著名人のうち6人は、SEC和解のために罰金や不当利益返還分などを払っています。
その総額は約5,200万円とされます。
Beaxyに対しても、有価証券関連サービスを未登録で運営していたとSECが指摘しました。
すでに取引所は閉鎖が決まっています。
この件について運営会社のWindyも告訴を受ける状況です。
以上のように3月だけでも、SECからの法的措置が相次ぎました。
今後の展開次第では、米国だけでなく、世界中の仮想通貨業界に動揺が広がりそうです。
SECから相次ぐ法的措置について、Twitterから以下の口コミがありました。
ゲンスラー委員長が議会で仮想通貨に言及
SECからの法的措置が相次ぐなか、ゲーリー・ゲンスラー同委員長が29日に米下院歳出小委員会で証言をしました。
参加目的は予算要求で、仮想通貨の特化した意見ではありません。
またこのときの発言について、ゲンスラー委員長はSEC代表ではなく個人の意見と述べました。
証言内でゲンスラー委員長は仮想通貨に言及しています。
業界について、コンプライアンスの不備を主張しました。
また投資家については、投機性の高いリスクにさらされているとのことです。
以上を踏まえ委員長は、SECとしての予算やリソース拡大により、米国民の保護に動きたいと語りました。
一方で仮想通貨の大半を有価証券と考えており、規制は明確としています。
SECには証券法の解釈が曖昧という指摘があったため、これに答えた形です。
ゲンスラー委員長は仮想通貨規制のため、SECの勢力拡大を狙うのでしょう。
最近相次ぐ法的措置も、影響力を強めるためでしょうか。
まとめ
米国ではSECによる法的措置が相次いでいます。
ゲンスラー委員長は規制強化のため、SECの規模拡大を目指すようです。
以上から相次ぐ法的措置は、SECの影響力を強めるためでしょう。
しかしSECが主張する証券法の適用基準について、曖昧という指摘もあります。
米国では仮想通貨のあり方について、今後も紛糾しそうです。
市場への影響も考えられるので、今後の動向を慎重に見守りましょう。