米SEC(証券取引委員会)は、現地を拠点とする全仮想通貨取引所およびBinance本体の調査をしていると報じられています。
4日のフォーブス報道によると、米上院議員であるシンシア・ルミスの事務所関係者が、調査があることを語ったそうです。
これが本当なら、仮想通貨市場にも何らかの影響があるかもしれません。
SECの調査報道について、詳細をまとめました。
要点
SECの調査対象である仮想通貨取引所は40以上
フォーブスの報道によると、CoinGecko調べでSECによる調査対象の取引所は40以上に及ぶとされます。
具体的に何を調査しているかは明らかになっていません。
しかし調査後に、SECが規制の動向を見せれば、市場に何らかの影響が生まれるでしょう。
調査対象にはCoinbaseも含まれているようです。
Bloombergによると、7月にCoinbaseは未登録証券にあたる仮想通貨提供の疑いで、SECから捜査を受けていると報じられました。
これがきっかけになり、SECは米国内における仮想通貨情勢の把握に乗り出したのかもしれません。
仮想通貨は有価証券として規制しようとするSECが、本格的に動き始めたのでしょうか。
今回の報道について、以下の口コミが寄せられています。
SECは仮想通貨の有価証券対象への引き入れを狙う
SECは仮想通貨の有価証券対象への引き入れを目指し、さまざまな動きを見せています。
有価証券とは証券市場の売買物として、一定の規制を受ける金融商品です。
米国では証券法の規制を受けるとされます。
仮想通貨は近年認知されたばかりの金融概念ですが、SECはそれも証券法の規制を受けるべきというのです。
2020年12月にSECは、リップル社への提訴で話題になりました。
同社が発行する仮想通貨としてのリップル(XRP)が、有価証券であるという主張からです。
リップル社がこれを認めずに争っていることから、裁判の決着はまだついていません。
このようにSECは、規制をめぐって仮想通貨業界との対立が見られます。
一方でSECの一連の動向には、疑問の声も寄せられる状況です。
米CFTC(商品先物取引委員会)は仮想通貨に対し、あくまでもコモディティ商品として見守る姿勢を貫いています。
しかしこのスタンスから、SECと対立が続く状況です。
たとえば7月には、Coinbase元社員らが仮想通貨のインサイダー取引で提訴を受けました。
このとき取引対象だった複数トークンを、SECが有価証券と断定しています。
CFTC委員はこの件が広範囲への影響を及ぼすとして、懸念を表明しました。
米国では、仮想通貨や取引所の監督権限をSECが有する可能性が不明です。
以上からSECの一方的な取り締まりに対し、さらなる反発も予想されます。
彼らの独自調査が、また新たな議論を生むかもしれません。
まとめ
米SECが、米国における多数の仮想通貨取引所の調査に乗り出したことを報じられています。
SECは仮想通貨を有価証券として、自身の管轄で規制を受けるべきと主張していました。
その実現のため、本格的に動いた可能性があるのです。
一方でCFTCのように、仮想通貨を有価証券と見ないグループもあります。
このように米国の仮想通貨規制をめぐって、今後も議論が続きそうです。
いずれにしてもSECの調査次第では、仮想通貨市場に大きな影響が出るかもしれません。
SECをめぐる今後の続報が気になるところです。