SEC(タイ証券取引委員会)が23日に、現地での仮想通貨決済の禁止を明かしました。
このルールは2022年4月から施行されます。
そのときから企業は、暗号決済による支払いを受けつけないように勧告されるのです。
仮想通貨の使い方をめぐり、タイで何が起きているのかを見ていきましょう。
要点
タイでの仮想通貨決済禁止の理由とは?
23日にSECが仮想通貨決済を禁止した理由は、以下の3点です。
・金融システムの安定に対する悪影響
・サイバー犯罪に利用される可能性
タイでは、仮想通貨の実用化に対するリスクが大きく評価されたのでしょう。
仮想通貨に対しては以前から金融システムへのネガティブな影響や、通貨価値の変動の大きさ、不正利用などさまざまな懸念が指摘されてきたからです。
ビットコインやイーサリアムなどの価値変動の影響が気になる方もいるでしょう。
例えばビットコイン払いで商品を買いたいとします。
しかし購入前に通貨価値が大きく下がると、商品購入に使う通貨数量が増えてしまうのです。
1BTCが500万円と400万円では、後者の方が決済時の消費数量が大きいといえます。
このように通貨としての性質が安定しないことから、決済手段として使いづらいと思われるのでしょう。
以上の懸念から、金融関連システムへの影響も気になるところです。
仮にビットコインやイーサリアムなどの価値が暴落してしまったら、仮想通貨を送金に使っている金融機関への影響が起きるかもしれません。
以上はスキャンダルの原因にもなり、金融機関の信頼に響く可能性さえあります。
またマネーロンダリングのような仮想通貨使用の犯罪への懸念も気になるところです。
最近でも以下のように、仮想通貨取引所をハッキングし、ロンダリングをした疑いで逮捕者が出るニュースが報じられています。
仮想通貨の不正利用への対策も、各国にとって課題です。
タイはリスク回避を選び、仮想通貨決済禁止を選びました。
このようにタイでは、仮想通貨の用途拡大に慎重な姿勢がうかがれます。
投資目的での所有は引き続き可能ですが、決済のような応用的な使用は、しばらく望めないでしょう。
今回のタイの動向について、以下の口コミが寄せられています。
タイでの仮想通貨関連企業ができなくなること
タイに拠点を置く仮想通貨関連事業者は、2022年4月1日から30日以内に次のルールを守らなければいけなくなりました。
・仮想通貨決済を容易にできるシステムを作ってはいけない
・決済が目的になっているデジタルウォレットの開設禁止
・ユーザーが仮想通貨決済を使っている場合は不正利用の通知をする。守らないユーザーには一時的なサービス利用停止などの措置をとること
このようにタイでは関連事業者に対し、ビットコインのような仮想通貨を使った決済を利用者にさせないしくみを作らなければなりません。
仮想通貨規制が、タイで本格化したことがうかがえます。
まとめ
タイでは仮想通貨の使用に制限が加わりました。
2022年4月から決済目的で使えなくなるからです。
現地企業に対しても仮想通貨決済に関連した規制が敷かれます。
ほかにも仮想通貨使用に本格的な規制を加える国が出てきた場合、ビットコインなどの市場に影響が出るかもしれません。
世界の仮想通貨事情について、今後も慎重に見守る必要がありそうです。