三菱UFJフィナンシャルグループの亀沢社長は、以前より開発していたデジタル通貨「coin」を、2020年下期に発行すると発表しました。
このcoinは、P2P送金やキャッシュレス取引など支払いに関する目的を主としており、非常に現代のニーズにあった機能であることから注目が集まっているようです。
これまでは、大企業がデジタル通貨を発行するなんてことはほとんど無く、Facebookが開発しているリブラが一時的に話題になった程度でした。
その為、これから大企業のデジタル通貨が発行されるようになってくることで、上位アルトコインの総入れ替えがあるのではないかと疑問視されています。
三菱UFJが独自コインを開発
毎日新聞のインタビュー上で、三菱UFJフィナンシャルグループの社長である亀沢宏規氏が、独自通貨の「coin」を2020年下期に発行する予定であることを明らかにしました。
このcoinの開発自体は2018年頃から明らかになっていましたが、実際に大企業がデジタル通貨を発行した例はほとんど無い為、実現性は低いものだと思われていました。
しかし、今回の発言によって、いよいよ大企業が仮想通貨やデジタル通貨に参入してくることに現実味が帯びてきたと考えられています。
仮想通貨は、未だに一般人が持つイメージがあまり良くないことから、ブロックチェーンや独自通貨の開発を進めるものの、あまり公には活動しない企業がほとんどです。
ですが、誰もが知る大企業の三菱UFJが、独自通貨を発行することによって大きく流れが変わる可能性があります。
大企業が発行するデジタル通貨と言えば、Facebookのリブラが有名だとは思いますが、こちらも予定上では2020年に発行を目指している為、近いうちにデジタル通貨が一般的なものになるかもしれません。
独自コイン発行の意図は
三菱UFJが発行するcoinは、P2P送金やキャッシュレス決済に適した通貨であることが判明しています。
まずはリクルートが運営しているホットペッパーグルメやじゃらんにてスマートフォン決済の手段として活用されるようで、急速に進むキャッシュレス社会に対応する為に独自コインを開発しているものだとみられています。
しかし、既にキャッシュレス決済に使われるサービスは世の中に溢れかえっていることから、他の決済方法との差別化を図る必要があるでしょう。
独自コインを開発している大企業は他にも存在している為、先行して通貨を発行する三菱UFJの動きは投資家のみならず、世界中の企業が注目をしているかもしれませんね。
上位アルトコインの総入れ替えもあり得るか
大企業が続々と独自通貨を発行するようになると起こり得るのが、上位アルトコインの総入れ替えです。
これは仮想通貨の歴史においても何度か起こっていることで、まだまだ発展途上のこの界隈では、環境が変わることによって上位のコインも大きく変化していきます。
例えば、数年前はNameCoinやPeerCoinといった、今ではほとんど知られていないような仮想通貨が上位を占めていましたが、XRPやイーサリアムのような開発がそこそこの規模である企業が参入してくることで、あっさりと上位コインのラインナップが入れ替わってしまいました。
今の上位アルトコインは、技術面や経済面において十分な力を持っているので、突然勢いが落ちるということは考えにくいですが、大企業の参入に打ち勝てるかどうかは定かではありません。
もし大企業の参入が当たり前の時代に突入すると、恐らくAmazonやGoogleといったトップ企業に加え、中国系の大企業はかなりの確率で優秀な独自コインを発行してくる可能性があります。
そのような環境の変化が起こることで、上位アルトコインの総入れ替えが起こることも十分考えられるでしょう。