【要点】
・サイバー犯罪者は人気仮想通貨を利用している事が分かっているほか、注目を集めている有名人や著名人を利用しています。
・調査会社はYouTubeやソーシャルメディアを使った仮想通貨キャンペーンなどに対して疑いのメを向ける事が重要だと語っています。
サイバー犯罪者がソーシャルメディアで数百万ドルを稼いでいる
サイバーセキュリティ企業のTenableの最新調査で、サイバー犯罪者がソーシャルメディアで偽の仮想通貨の景品を宣伝することで数百万ドルを稼いでいることが分かりました。
Tenableは11月23日、ソーシャルメディアユーザーにBitcoin(ビットコイン/BTC)、Etherem(イーサリアム/ETH)、Dogecoin(ドージコイン/DOGR)、Cardano(カルダノ/ADA)、XRP(リップル)、SHIBA INU(シバイヌ/SHIB)が関与する詐欺に注意するよう警告しています。
詐欺師らは、景品を合法的に見せるため、仮想通貨に関連する有名人や著名人の映像を使用して詐欺行為を実行しています。
詐欺師が悪用した人物の中には、MicroStrategyの会長兼CEO(最高経営責任者)であり、ビットコインの熱烈な支持者であるマイケル・セイラー(Michael Saylor)氏も含まれていました。
セイラー氏のほかにも、イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏、カルダノの創設者でイーサリアムの共同創設者であるチャールズ・ホスキンソン(Charles Hoskinson)氏、Ripple のCEOであるブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)氏、テスラとスペースXのCEOであるイーロン・マスク(Elon Musk)氏なども詐欺師らによって利用されている事が判明しています。
ビットコインが最も詐欺収益が高い
Tenableの研究者は、YouTube Live仮想通貨詐欺の1つのsubsetが、10月だけで少なくとも890万ドル(約10億円)を違法にネットにしたと計上しています。
ビットコイン詐欺が最も収益性が高く、詐欺1件あたりの平均金額は約1億8,000万円(160万ドル)、総額約94億円(820万ドル)でした。
イーサリアムを含む詐欺は2番目に収益性が高く、盗まれた資金で約4,700万円(41.3万ドル)を受け取っており、詐欺1件あたりの平均利益は約950万円(82,778ドル)でした。
シバイヌの詐欺を実行している加害者は、詐欺ごとに平均約3,900万円(34,192ドル)を受け取り、これまでに約2,700万円(23万9000ドル)を獲得しており、Tenableの広報担当者は次のように述べています。
詐欺師は、ユーザーが影響力のある声に大きな信頼を置いていることを認識しているため、仮想通貨の創設者や共同創設者、仮想通貨関連企業に関連する著名人、仮想通貨の使用促進や議論した企業のCEOをフィーチャーした偽ビデオを作成し、会社のバランスシート用の仮想通貨の購入をします。
YouTubeライブストリーム詐欺の目的
YouTubeライブストリーム詐欺は、おなじみの戦術を共有しており、仮想通貨を2倍にすると主張する外部サイトへとユーザーを誘導することを目的としています。
Tenableのスタッフリサーチエンジニアであるサトナム・ナラン(Satnam Narang)氏は、著名人からの景品を約束するYouTubeライブ動画にユーザーが疑いの目を向ける事が重要だと述べ、次のように警告しています。
本物である可能性は低いため、景品に参加するために仮想通貨を送信しないでください。送信されたデジタルマネーを回収することはできません。
万位が一、詐欺に遭遇した場合、YouTubeユーザーは、動画の下に表示されている旗のアイコンをクリックし、ドロップダウンメニューで「詐欺または詐欺」を選択することで、詐欺コンテンツをYouTube運営側に報告できます。