Coinpostによると、イーサリアムの開発陣が5日のミーティングで、次期アップグレード「Dencun」の計画を話し合いました。
そこではアップグレードに必要なネットワーク「Devnet-10」の稼働をはじめ、さまざまな議題が上がっています。
今後も進捗状況や計画は、ミーティングによって話し合われる見通しです。
イーサリアムの次期アップグレードに関して、これまでわかっていることをまとめました。
要点
今回のミーティングの議題
今回のミーティングでは、イーサリアム開発陣がDevnetについて話し合いました。
主に取り上げられたのは、Devnet-9と10の近況です。
いずれもDencunで重要なテストネットで、アップグレードが成功すればメインネットを新しくできます。
Devnet-9については、EL(実行層)クライアントでバグが起きました。
開発陣はバグの解決により、安定性の維持を目指しています。
これに関連してDevnet-10の議論もありました。
イーサリアム財団でリサーチャーを務めるダニー・ライアン氏は、ELクライアントの準備が不完全でも、Devnet-10の起動を可能と主張しました。
イーサリアムはDencunを控えていますが、Devnet-9のトラブルのように、問題もあるようです。
以上から計画完了までのスケジュールは、今後も調整を要するかもしれません。
Devnet-10とは
Devnet-10はEIP-7514とも呼ばれるテストネットです。
ステーキングについて追加可能な最大参加者数を、一定期間ごとに制限する機能があります。
Devnet-10は同機能について、プログラムどおりに動くかを確かめるのです。
以上からイーサリアムのセキュリティ対策で、重要とされます。
イーサリアムの問題のひとつが、バリデータ数の過剰増加です。
資本力のあるバリデータが集まりすぎると、データ消費量が多くなり、スケーラビリティ問題が発生します。
スケーラビリティ問題とはデータの過剰消費により、トランザクション処理に時間がかかり、送金や決済が長引いてしまうことです。
多くの仮想通貨では、トランザクション処理をいかに早く終わらせるかが課題になっています。
イーサリアムの機能性強化には、Devnet-10が欠かせません。
ここでアップグレードの内容をテストして、メインネットの利便性向上につなげるためです。
Dencunアップグレード計画は再議論の予定
イーサリアム開発陣は、次回ミーティングでもDencunの計画について、再議論をします。
開発者のひとりであるティム・ベイコ氏は、10月19日までのDevnet-10完成を提案しました。
11月中旬には開発者によるイベント「Devconnect」を予定しており、それまでに一定の作業を終わらせたい様子です。
次回のミーティングでは進捗状況を踏まえ、Dencun完了までの日程が議論されます。
Devnet-10を含め、現時点の計画についても、全開発者が同意したわけではありません。
Dencunは現時点で、2023年中のアップグレードを予定しています。
ただし進捗状況によっては、2024年前半にずれ込む可能性もあるのです。
イーサリアムのアップグレードの進捗状況について、今後も慎重に見守りましょう。
まとめ
イーサリアム開発陣が、Dencunに向けたミーティングを行いました。
そこでDevnet-9や10が議題に上がっています。
9でバグが見つかりましたが、10のローンチを予定どおり可能とする主張がありました。
またベイコ氏は、10月19日までのDevnet-10のローンチが可能と述べています。
仮想通貨やブロックチェーンの開発プロセスは複雑なので、今後も計画の延期があるかもしれません。
今後もイーサリアム開発陣はミーティングを控えているので、その内容に注目しましょう。