最近の仮想通貨業界では、ディペッグが問題になっています。
ステーブルコイン特有の現象で、特定通貨の相場が、連動対象の価格から大きく外れた状態です。
この状況になるとステーブルコインとしての前提が失われ、無価値になるおそれもあります。
2022年6月時点で、日本国内でステーブルコインを買える取引所はありません。
しかしディペッグ報道は、ビットコインやイーサリアムのような主要市場にも影響を与えます。
以上からディペッグの定義を知り、対策を覚えておきましょう。
要点
ディペッグとは？
ディペッグとは、ステーブルコイン特有のネガティブな現象です。
特定通貨の相場が、参照価格から大きく離れた状態を示します。
たとえばアルゴリズム型ステーブルコインとして活躍していた「TerraUSD」は、1ドルの基準値によって運用を受けていました。
しかし最近の仮想通貨景気の衰退を受け、米ドルの参照価格から大きく離れて暴落しています。
TerraUSDは、ルナ（LUNA）が価値を支える裏づけ資産でした。
しかし価値キープの源であるルナ自体が暴落すると、TerraUSDも米ドルとの連動を守るだけの価値を保てなくなります。
以上からディペッグが起きました。
ディペッグは重大事案であり、仮想通貨全体のイメージを損なわせます。
以上からステーブルコインを持たない方々も、ディペッグ報道には要注意です。
最近のディペッグ発生例
ディペッグという用語は、TerraUSDでで問題になりました。
しかし最近でもTerraUSDのしくみをもとに開発された「USDD（Decentralized USD）」のディペッグが起きています。
こちらもアルゴリズム型ステーブルコインだったため、Terra騒動の影響を受けたのでしょう。
今回のUSDDは、米ドルに対する1:1の水準から離れてしまいました。
その結果0.9807ドルのディペッグが報じられています。
運営元であるTRON DAO Reserveは、USDC6.5億ドル分を準備金として足しました。
しかしこの資金が底をつくと、ディペッグを通り越し、USDDまで無価値になる可能性さえあります。
以上のようにディペッグは、ステーブルコインとしての存在意義に関わりかねない重大リスクとされます。
USDDのディペッグについて、以下の口コミもありました。
ディペッグ報道が出たときの対策
これからはディペッグ報道への対策が重要です。
この種類の報道は仮想通貨全体の景気に影響するため、ステーブルコインを持たない方にも備えが必要でしょう。
最初は最新情報に基づいたポートフォリオの見直しです。
ディペッグ報道が出たら、信頼できるソースから真相を確かめましょう。
そこからステーブルコインのディペッグによる市場全体への影響度を検証します。
これが終わったらポートフォリオの再チェックをしてください。
仮想通貨だけでなく、株式や純金のようなほかの資産への資金配分も考えましょう。
このような取り組みで、損失を最小限に抑えられるかもしれません。
次は取引時のマイルールの徹底です。
暴落に焦らないためには、損切りや購入のタイミングを決めることが大切です。
たとえば事前に売却時期を2カ月後と決めておけば、1カ月後の暴落があっても売らないという決断ができます。
また購入時より価格が1割減ったら損切りしようと決めたとしましょう。
実際の売却後は、値下がりがあってもユーザーの資産に影響しません。
このようにマイルールの徹底は、暴落時や金融不安時のパニック売りを防げます。
まとめ
ディペッグはステーブルコインの価値が、基準値から大きく離れてしまう現象です。
最近ではTerraUSDやUSDDなどがディペッグを起こしており、今後も油断はできません。
このような報道は仮想通貨市場全体に影響を与えるおそれがあります。
ポートフォリオの見直しやマイルールの徹底により、損失を最小限に抑える手立てを整えてください。
