大型アップグレード「The Merge」を間近に控えたイーサリアムですが、ハードフォークの可能性が気になる方もいるでしょう。
The Merge後はコンセンサスアルゴリズムがPoW(プルーフ・オブ・ワーク)からPoS(プルーフ・オブ・ステークス)に変わるからです。
しかし共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は、イーサリアムでハードフォークが起きたとしても、その影響が小さいという見解を示しました。
イーサリアムのハードフォークの可能性について解説します。
要点
ハードフォークとは何か?
ハードフォークとはブロックチェーンの分岐現象です。
仮想通貨のアップグレードによって、変化前の通貨と2種類に分かれます。
フォークを受けた仮想通貨同士は、互換性がなくなるのが特徴です。
仮想通貨でアップグレードが起きた場合、技術的に互換性の維持が困難になります。
更新によってシステムが大きく組み換わっているためです。
そこでハードフォーク後の仮想通貨は2種類とも、別々として取引を受け続けます。
仮想通貨市場ではビットコインやイーサリアムなど、メジャーな銘柄でも過去にハードフォークが起きました。
The Mergeを受けたイーサリアムではどうなるのでしょうか。
イーサリアムのハードフォークの可能性が指摘される理由
イーサリアムがThe Merge後にハードフォークをする可能性があるのは、コンセンサスアルゴリズムが変わるからでしょう。
コンセンサスアルゴリズムとは、中央集権管理者がいないネットワークにおいて、参加者同士の合意を取る方法です。
仮想通貨の場合は、取引承認のルールなどを指します。
イーサリアムはThe Mergeによって、コンセンサスアルゴリズムがPoWからPoSに変わります。
基本的な部分からシステムが大きく異なるのです。
システムが組み換わる過程で、ハードフォークが起きるかもしれません。
大規模なアップグレードを公表している以上、イーサリアムの分岐の可能性を考えるのも自然でしょう。
たとえばPoSへの変化後のイーサリアムを今後ネイティブトークンとしても、従来のPoWチェーンが残ります。
残されたPoWチェーンの維持のため、独自にイーサリアムのPoWトークンを立ち上げる人がいるかもしれません。
このようなハードフォーク時にイーサリアムを持っていれば、無償でPoWトークンを受け取れる可能性もあります。
過去にもイーサリアムはハードフォークを果たしています。
2016年9月にイーサリアムクラシック、2018年1月にイーサリアムゼロがそれぞれ登場しました。
つまりイーサリアムも歴史の中で複数回の分裂を受けています。
The Mergeによって、新たな仮想通貨が生まれるかもしれません。
イーサリアムのハードフォークの可能性について、以下の口コミが寄せられています。
ヴィタリック・ブテリン氏のハードフォークに対する見解
イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏は、The Mergeでハードフォークが起きたとしても、小さな影響にとどまると見ています。
発言があったのは開発者向けイベント「ETHSeoul」でした。
ブテリン氏がそこで、ハードフォークによる損害リスクが小さいという認識を示しています。
しかしPoS移行にはリスクがあります。
PoW時代のイーサリアムをマイニングしていた人は、収入源を失うのです。
またPoSに適応するためのマイニング体制を作らなければいけません。
ハードフォークによって、イーサリアムにトラブルが起きないことを願います。
まとめ
イーサリアムの大型アップデートプロジェクト「The Merge」が大詰めに近づいています。
そこでハードフォークの問題が浮上しました。
コンセンサスアルゴリズムの変化により、イーサリアムが2種類に分かれる可能性があるからです。
イーサリアムは過去にもハードフォークを起こしています。
ブテリン氏は仮想通貨の分岐が起きたとしても、影響は小さいという見解を示しました。
The Mergeで生まれ変わったイーサリアムに何が起きるのでしょうか。