今月、マイニングで大きなシェアを占めているF2Poolが、マイナーの損益分岐点を発表しました。
その発表によると、マイニングに使う機器によって差はあるものの、おおよそ70万円~80万円が利益が出る最低ラインだということが判りました。
現在は、コロナショックの影響で仮想通貨が損益分岐点を割っている為、次の半減期で大打撃を受けるのではないかと噂されています。
70万円を割るとマイナーは赤字に
以前より、70~100万前後がマイナーの損益分岐点ではないかと言われておりましたが、F2Poolによる精密な計算によって、おおよそ70万円~80万円が一般マイナー~中規模マイナーの損益分岐点であることが判りました。
このラインを割ってしまうと、マイニングをすればするほど電気代で赤字になってしまうので、撤退をするしかありません。
ですが、コロナショックによる大暴落によって、既にその分岐点を割っている状況にあります。
このコロナショックでは、株をはじめゴールドや原油などあらゆる投資資産が暴落しており、仮想通貨はその中でも特に暴落率の激しい投資資産となっています。
結果、2月と比べると約50%近い暴落に至っており、マイナーにとっては回復するのを待つか撤退するかの2択を迫られている状態になってしまいました。
更に、5月にはビットコインの半減期が訪れるので、マイナーの大半が窮地に立たされている状態でしょう。
仮想通貨の暴落率が高い原因
何故ビットコインが飛びぬけて暴落しているのかと言いますと、借金の穴埋めとして換金されているのが原因だと考えられます。
現在は、株の暴落によって、追証が発生してしまった人が続出しています。
この追証を払うには、すぐに現金を用意しなければなりません。
その現金を用意する際に、投資家が真っ先に売り払うと考えられるのがビットコインなのです。
ビットコインはまだまだ不安定な部分が大きいので、投資家からは安全資産として認められていません。
今回のような世界恐慌に近い状況では、何よりも資産の安定性が求められます。
そうなると、投資家によるビットコイン売りが加速してしまい、今回のような暴落に繋がってしまうことになります。
損益分岐点を割った状態で半減期がくるとどうなるのか
損益分岐点を割った状態が続くと、まずは一般マイナーが撤退していきます。
そして程なくして中規模マイナーも撤退をしていくでしょう。
大手マイニング業者は、独自のマイニングパソコンの開発をおこなっているところが多く、常に最新のマイニング機器を使っています。
そして、型落ちしたマイニング機器を中規模マイナーと一般マイナーに卸している為、どうしても規模の小さいマイナーは早々に採算が取れなくなり撤退してしまうのです。
続いて、大規模マイニング業者も徐々に経営難に追い込まれていきます。
彼らは、完全に事業としてマイニングをおこなっている為、採算を割ったからといってすぐにマイニングを停止する可能性は低いです。
マイニングを停止してしまうと、ビットコインの価値が更に落ちてしまう可能性がある為、結果自分の首を更に絞めることになるからです。
とは言え、マイナスの状態で経営していくにも限界がありますので、ビットコイン半減期までに回復しないようであれば、次第に稼働率が下がっていくことでしょう。
そうなると、最終的には最新の機器と最高の環境を独占している最大手マイニング業者のみが生き残ることになります。
マイニングが一部の業者によって寡占されてしまうことは、51%攻撃などのセキュリティの危険性が格段にあがることを意味します。
ですので、損益分岐点を割った状態で半減期が訪れてしまうと、一部のマイニング業者が実質的にビットコインを支配してしまう状況に陥ってしまうのです。