アメリカの大手SNSサービス会社フェイスッブックは、今後新たなデジタル通貨をサポートすることを発表した。これにより、フェイスブックはLibraと新たな通貨の両方をサポートすることになる。
要点
デジタル政府通貨の発行計画
情報メディアThe infomationは3日、フェイスブックは自社で開発している仮想通貨Libraのサポートを停止し、代わりにドルやユーロなど政府が発行している通貨とペグされた個別のデジタルトークンを開発していると発表した。
元々Libraトークンをサポートするために設計されたウォレット「Calibra」を使用し、新たなデジタル政府通貨の取引や購入ができるようになるとのこと。
このウォレットは当初6月に公開される予定であったが、10月ごろまで延期されることも合わせて説明しています。どうやらウォレットと新たなデジタル政府通貨の両方を同時に発表しようとしているようです。
Libraトークンも引き続きサポート
その後The infomationのAlex Heathがフェイスブックと話をしたところ、引き続きLibraトークンをサポートすること考えであることをTwitterで述べています。
Important update to story, after talking to Facebook (which originally declined to comment). It WILL support the original Libra token concept in its wallet. But expect it to emphasize the new digital government currencies it plans to introduce https://t.co/DvTpS2HC6Y
— Alex Heath (@alexeheath) March 3, 2020
(フェイスブックと話をした後の重要な更新。ウォレットでLibraトークンを引き続きサポートします。新たに導入する予定のデジタル政府通貨も期待してください。)
これに伴いフェイスブック社の広報担当やLibra協会の広報担当者も、Libra通貨のサポートから退くことを強く否定しています。
・フェイスブック広報
フェイスブックがCalibraウォレットでLibra通貨をサポートしないという内容は完全い間違いであり、今後とも全面的にサポートする。
・Libra広報
Libra協会は、規制に準拠した国際決済ネットワークの構築という目標を変更していませんし、その基本原則も変更されていません。
まとめ
Libraプロジェクトは、発足時から大きな話題を呼んだものの、政府が定める金融規制を満たすまでの道のりが長いことから、VISAやMasterなど複数のパートナーが撤退しています。
しかし、中国がデジタル人民元の発行計画を急速に進めていることから、アメリカも指を咥えて見ているだけのはずはありません。Libraについてはマネーロンダリングの観点などから規制当局から厳しい目を向けられていますが、フェイスブックが新たにサポートを開始する予定のデジタル政府通貨を、規制当局はどのように評価するのか、その動向に注目です。