3日のCoinpost報道によると、FTX JapanはFTX Europeとともに、事業売却をめぐる入札期限が1カ月程度延長になりました。
新たな売却審決日は、5月1日以降の見通しです。
3日報道時点ですでに41社が買収に名乗りを上げており、今後の動向が注目されます。
FTX Japanの事業売却をめぐる状況について、以下を見ていきましょう。
要点
FTX Japanの入札期限延期について
FTXグループの日本法人であるFTX Japanは、グローバル版FTXの経営破綻を受け、事業売却が決まっています。
今回は入札期限の1カ月程度の延長がわかりました。
FTX側は申請書類で、ビジネス上の理由としています。
FTXとしては事業整理にあたり、なるべく多くの利益を引き出したいようです。
債権者への返済義務を負っているためでしょう。
そのためFTX Japanを売るにも、好条件で買収してくれる相手がほしいところです。
FTX Japanは欧州法人であるFTX Europeと、事業売却計画が一緒になっています。
もともとは2023年3月15日が入札期日でした。
そのあと競売日が3月21日、売却審決日が3月27日になっていました。
しかし今回は入札期日が4月19日に延びています。
その影響から競売日も4月26日、売却審決日は5月1日になりました。
負債があるFTXだけに、売却計画も含めて慎重な判断を求められているようです。
果たしてFTX Japanの事業売却は、どのような決着を迎えるのでしょうか。
FTX Japan買収にマネックスも名乗りを上げている
FTX Japan買収には、マネックスグループの松本大社長も名乗りを上げています。
同グループには、国内の仮想通貨取引所のCoincheckがあります。
実際に買収すれば、実質的に同じグループへFTX Japanが加わる形です。
松本社長は、FTX Japan買収を通して、マネックスグループの勢力拡大を目指しているようです。
16日のブルームバーグの取材では、国内での交換業者乱立よりも寡占状態を望んでいます。
マネックスグループによるFTX Japanの買収には、可能性があるでしょう。
同グループは2018年にCoincheckを買収しました。
当時のCoincheckは、仮想通貨流出事件で社会の信頼を失っており、そこから立て直しています。
経営難の取引所を救った実績から、マネックスグループがFTX Japan買収にも興味を示したのでしょう。
事業売却は1月に確定
FTX Japanは、1月13日に米デラウエア州の破産裁判所から売却承認を受けています。
同日には欧州法人のFTX Europe、先物・オプション取引のLedger X、株式取引プラットフォームであるEmbedも同時に承認を受けました。
このとき承認を受けた事業は、どれもFTXグループから比較的独立した状態です。
各社が個別の経営陣に加え、独自の顧客口座を有しているとされます。
このような独立性から、売却を進めやすいと裁判所に判断されたようです。
売却承認の時点でFTX Japanには、41社が買収に関心を示したとされます。
グループの知名度が高いためでしょう。
FTXは、サム・バンクマン=フリード前CEOなどのずさんな経営が問題になりました。
しかし破綻前まで影響力があったため、手を差し伸べる企業が多数現れたのでしょう。
入札期限延長を受けたFTX Japanですが、売却プロセスは着々と進みそうです。
まとめ
FTX Japanの事業売却について、入札期限延長が報じられました。
新たな期日は4月19日になっています。
その影響から売却審決日は5月1日に決まりました。
FTX Japanの事業売却ではマネックスグループも含め、41社が買収に関心を示しています。
とくにマネックスはCoincheckの買収実績があるため、これからの動向に注目です。