要点
・マウントゴックスから盗まれたBTCの眠るアドレスを所持していたことが判明
クレイグ・ライト氏とマウントゴックス事件
自称、ビットコイン発明者“サトシ・ナカモト”であると名乗りをあげているCraig Wright (クレイ・グライト)氏は、自分はビットコイン取引所のハッカーであったと主張していると複数の海外メディアが報じています。
※クレイグ・ライト氏の『ビットコイン谷』の先月記事『休眠アドレスが動いた!サトシ・ナカモトはクレイグ・ライト氏か!?』もご参考にしてください!
日本でも大きなニュースとして取り上げられ、多くの被害者を出したことで記憶に残っている方も多い、2011年に発生したMt. Gox(マウント・ゴックス)事件、先ずはマウントゴックス事件の簡単な説明からしていきます。
Jed McCaleb(ジェド・マケーレブ)氏によって、当時、東京に拠点を構え、トレーディングカード交換所として運営されていたマウントゴックス(Mt. Gox=Magic: The Gathering Online eXchange)。
2010年にビットコイン交換へ事業変換させ、2011年にMark Marie Robert Karpelès(マルク・カルプレス)氏へ同社を売却後、一時は2013年4月には全ビットコインの取引量の約7割を取り扱う世界最大クラスの仮想通貨取引所として活動していました。
当時、日本の有名人や著名人も多く利用していたマウントゴックスでしたが、2011年6月に同社システムへのハッキングが判明し、ビットコイン価格がわずか1セントという不当な価格に引き下げられる事件が発生しました。
このハッキング事件によって受けた損失は875万ドル相当に上る巨額の被害を出しています。
その後、2014年2月7日にはビットコインが送金できなくなった事で取引停止に陥る問題が発生。
この件について同取引所は、ビットコインのソフトウエアの欠陥でビットコインは送金されているのに送金されていないようにトランザクションが書き換えられたと主張していました。
しかし、その後、取引が再開されることなく、2014年2月23日に代表のカルプレス氏が辞任し、事務所移転、払い戻しの見通しもないことをメディアを通じて発表。
これがいわゆる“マウントゴックス事件”として世界を震撼させ、今でも裁判が続いています。
マウントゴックスから盗まれたBTCの眠るアドレスを所持!?
マウントゴックス事件は、その後の詳細な調査によって、79,956BTC、本日のBTCレートで810億円相当が盗まれた事が判明しています。
ビットコインサービスプロバイダーBlockstream(ブロックストリーム)に送信された書簡で、ライト氏の顧問弁護士が所属する法律事務所SCA Ontier (SCAオンティエ)は、彼が2つのビットコインアドレスを管理していると主張しています。
そのうちの一つのアドレスに対してTwitterユーザーRiccardo Spagni氏は
Just so we're clear, Craig Wright has just openly admitted (via his lawyers) to be the guy that stole 80k BTC from Mtgox. The screenshots below show the court documents indicating the "1Feex" address is where the stolen Mtgox funds were sent. What do you have to say, @CalvinAyre? pic.twitter.com/Yh1esDar6J
— Riccardo Spagni (@fluffypony) June 12, 2020
https://platform.twitter.com/widgets.js
(日本語訳)
これではっきりしたように、クレイグ・ライトはマウントゴックスから80,000BTCを盗んだ男であることを(弁護士を介して)公然と認めました。
とツイートしています。
アドレスの一つは、2011年3月にマウントゴックスから盗まれた約8万BTCが含まれています。ビットコインブロックエクスプローラーは、アドレスに現在「未使用」の79,956 ビットコインが含まれていることが確認できます。
ブロックストリームへの書簡
(引用先 SCRIBD)
書簡の中で、ライト氏の顧問弁護士は、2020年2月5日にこのアカウントへのアクセスが彼から盗まれたと主張しています。
ライト氏とかつてのパートナーである故デイブ・クレイマン氏がマイニングで得た110万BTCを預けたとライト氏が主張しているチューリップ信託とライト氏について書簡では
「ビットコイン」コアブロックチェーンの責任者として、特に非合法なトランザクションの回避を含む、関係する利益に気づいた状況において、そのブロックチェーン上のトランザクションに関連する義務があると信じている。
あなたは同じことに気づいき、ブロックチェーンに入力されたと書簡では述べられています。
この書簡は、資金がまだライトに属しており、会社がそれらを動かしたり、それらを動かすことを許すべきではないことをブロックストリームに知らせたいと述べています。
これらは真実ではなく、ライト氏側はBlockstreamがビットコインネットワークを実行し、それを介して移動するトランザクションに責任があると主張しています。
現在のライト氏と弁護士は、Tulip Trading Limited社がビットコインネットワークとその名前に対する権利を持っていると主張しています。
海外メディアでは、皮肉交じりにライト氏とその顧問弁護士は次は何を仕掛けてくるのか楽しみだと報じていますが、果たして今後、ライト氏側はいったいどのような主張をして故デイブ・クレイマン氏とマイニングで得た110万BTCがライト氏の物だと主張するのでしょうか。